2004 Fiscal Year Annual Research Report
古代エジプトにおける採石・石材加工業の考古学的研究-古代産業比較論の立場から-
Project/Area Number |
04J11944
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
花坂 哲 筑波大学, 大学院・歴史・人類学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 古代エジプト / アコリス遺跡 / 石工技術 / 採石場 / 末期王朝時代 / 産業比較論 / 皮革工房 |
Research Abstract |
4月以降、調査研究を継続し、主要研究フィールドである、エジプト・メニア県・アコリス遺跡の発掘調査概報を分担執筆した。 6月に日本西アジア考古学会第9回大会において「アコリス遺跡検出の皮革工房址と皮革製品」という題目で研究発表を行った。これは、本研究課題の採石・石材加工業と他の古代産業を比較する研究の一環である。古代の皮革関連工房はエジプト国内のみならず、世界的にも検出された例は珍しく、採石・石材加工業を研究していくうえで、古代都市における産業形態の手掛かりを得るものとなった。 7月中旬から9月上旬にかけて、アコリス遺跡の現地調査に参加した。発掘調査終了後にエジプト国内の遺跡や博物館をまわり、観察調査、写真撮影を行い情報収集を行った。その後、イギリスの大英博物館、ロンドン大学のピートリー博物館にて、収蔵品の観察、実測等を行った。 帰国後、海外での調査成果の整理・検討を行ってきた。主テーマである採石・石材加工業の研究に関する書籍や論文が増えつつあり、文献収集を行うとともに、これまでの自らが収集したデータとあわせて検討をおこなっている。副テーマである他の古代産業との比較研究に関しては、アコリス遺跡で検出された皮革工房を中心として、ギリシアやアッシリアなど東地中海地域との関連性という、社会背景を鑑みつつ研究を進めている。 また、雑誌「西アジア考古学」への原稿執筆を依頼され、「皮革製サンダル考-エジプト・アコリ遺跡を例に-」という題目で執筆し、来春刊行予定である。また現在はアコリス遺跡の調査概報の執筆を行っている。
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Research Products
(3 results)