2004 Fiscal Year Annual Research Report
転写コアクチベーター・EWSの分解制御とp53を介した悪性腫瘍発生の分子機構解析
Project/Area Number |
04J12029
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
新谷 奈津美 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | EWS / 転写 / 転写コアクチベータ / Ewing肉腫 / 翻訳後修飾 |
Research Abstract |
EWSはEwing肉腫や小児性神経芽腫においてFli1、ATF1やWT1などの種々の転写因子と染色体転座により融合遺伝子を形成し、腫瘍化に寄与することが示唆されていますが、非融合型EWS本来の機能およびEWS融合遺伝子形成による腫瘍発症機構は不明です。そこで、私は、非融合型EWS本来の機能および、その制御機構を明らかにすることを目的とし、EWS融合遺伝子形成による悪性腫瘍発症の分子メカニズムの基盤的理解を目指してきました。私は、EWSが転写の中核的存在であるCREB binding protein(CBP)やRNA polymerase IIと複合体を形成し、選択的にDNA結合性転写因子の1つである癌抑制因子p53の転写をCBPと協調的に増強する転写コアクチベーター活性を有することを明らかにしました(未発表)。さらに、EWS活性の制御機構を明らかにするため、EWSと相互作用する新規結合因子をYeast Two Hybrid法を用いて探索しました。その結果、今回新たにEWSの転写活性化能を制御し得る因子として、アルギニンメチル基転移酵素・protein arginine methyltransferase 1 (PRMT1)を同定しました。EWSとPRMT1の相互作用の意義の解析から、PRMT1が直接EWSをメチル化し、その細胞内局在を核から細胞質に移行することで、EWSの転写活性化能を抑制し得ることが明らかになりました。以上の結果から、PRMT1によるEWSの翻訳後修飾はその転写活性化能を制御する上で重要な役割を担っていることが示唆されました。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Transcriptional down-regulation through nuclear exclusion of EWS methylated by PRMT1
Author(s)
Araya, N., Hiraga, H., Kako, K., Arao, Y., Kato, S., Fukamizu, A.
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Journal Title
Biochem.Biophys.Res.Commun. (in press)