2004 Fiscal Year Annual Research Report
V族混晶窒化物半導体自己組織化量子ドットと完全配列化
Project/Area Number |
04J12079
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大島 隆治 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 半導体 / ナノ構造 / 量子ドット / 分子線エピタキシー法 / GaAs / GaNAs / InAs |
Research Abstract |
本研究では、原子状水素援用RF分子線エピタキシー(MBE)法を用いて、光通信用1.3μm,1.55μm帯で発光する高品質なGaAs基板上自己組織化量子ドットの作製を行っている。自己組織化量子ドットの発光の高品質化を目指す場合の問題点として、量子ドットの発光の長波長発光化のみならず、量子ドットのサイズ揺らぎの低減、多重積層化による活性層領域の増大が挙げられる。 そのアプローチとしてInP基板上InAs量子ドットでは歪み補償の概念を利用した多重積層化が行われてきた。しかしながらGaAs基板を用いた場合、従来の材料系ではGaAsよりも格子定数が小さい適当な材料がなかったため、多重積層化の際に量子ドットで蓄積された圧縮歪みが残り、転移の発生や量子ドットサイズが増大することが問題となっていた。その問題を解決するため、GaAsに希薄窒素を導入した系であるGaNAsを歪み補償中間層に用いることを提案している。GaNAsはNの組成によって任意のGaAsよりも小さい格子定数に設定することが可能であり、GaAsよりもバンドギャップが小さいために長波長領域かつ多重積層化が可能となることが期待される。 これまでに、単層のInAs量子ドットを用いてGaNAs歪み補償層がInAs量子ドットの発光特性にどのような影響を与えるかフォトルミネッセンス(PL)測定を中心に研究を行った。N組成が1%程度の場合、従来のGaAsを用いた場合よりも発光強度が増加する傾向があった。さらにN組成を増加させるに従い発光波長が長波長化し、2.4%のときに1.3μm帯で発光することを確認した。今後は多重積層化に最適なN組成、膜厚を検討していき、多重積層化を行う予定である。
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