2004 Fiscal Year Annual Research Report
花成ホルモン・Florigenの探索と花芽形成の機構解明
Project/Area Number |
04J12101
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
久松 洋輔 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Arabidosides / 花芽形成 / シロイヌナズナ / ジャスモン酸 / OPDA / dn-OPDA / 糖脂質 / NMR |
Research Abstract |
花芽形成に関わる候補物質として単離した新規糖脂質、Arabidopside A(1)およびB(2)の関連化合物の探索を行った結果、新たに二つの新規糖脂質を単離し、Arabidopside C(3)およびD(4)と名付け、その構造を決定した。 花芽を形成するまで24時間連続光照射の条件下で栽培したシロイヌナズナ地上部をメタノールで抽出し、Arabidopside A(1)、B(2)とともに、二つの新規糖脂質を単離し、Arabidopside C(3)およびD(4)と命名した。 まず、Arabidopside D(4)の構造解析について記す。高分解能ESIMS[m/z987.5285(M+Na)^+,Δ-0.8mmu]より、4の分子式はC_<51>H_<80>O_<17>であり、^1Hおよび^<13>C NMRスペクトルから4は2に糖がもう一つ結合した化合物であると推定された。^1H-^1H結合定数と2D NMRから、4はα-galactosyl-(1''→6')-β-galactosyl glycerolを有することが示唆された。さらに化合物4の絶対配置の決定を行った。 Arabidopside C(3)についても4と同様の手法を用いて構造解析を行った結果、3は4に結合している2つのOPDAのうちのひとつが、dn-OPDAに置き換わった化合物であることが分かった。 Arabidopside C(3)およびD(4)は、ジャスモン酸の前駆体であるOPDAおよびdn-OPDAがdigalactosyl glycerolに結合している、糖脂質としては初めての構造である。今後、これらの生物活性についても検討を行う。
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