2004 Fiscal Year Annual Research Report
小胞輸送およびシグナル伝達系におけるTom1の役割
Project/Area Number |
04J12139
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 洋平 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Tom1 / ユビキチン / Tollip / エンドソーム / clathrin / GGA |
Research Abstract |
Tom1は小胞輸送に関与するタンパク質である。Tom1の機能を調べるため、酵母ツーハイブリッド法により結合タンパク質を探索し、ユビキチンとTollip(Toll interacting protein)を得た。ユビキチンはプロテアソームでのタンパク質分解だけでなく、小胞輸送にも関与している。TollipはIL-1レセプターやToll likeレセプターと結合し、それらのシグナル伝達に関与することが知られている。 GST-pull down解析や免疫沈降法によって、Tom1のGATドメインにユビキチンとTollipが結合すること、さらにユビキチンとTollipの結合は互いに排他的であることが明らかになった。 次にTom1の細胞内局在を共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察した。HeLa細胞にTom1を単独で発現させると細胞質に局在するのに対し、Tom1とTollipを共発現させると両者はエンドソームで共局在するようになった。さらに、そのエンドソームにはユビキチン化タンパク質も共局在していた。これらの結果からTom1とTollipは複合体を形成し、エンドソームにおけるユビキチン化タンパク質の輸送を制御していることが示唆された。 Tom1のGATドメインとユビキチンとの相互作用の詳細を調べるため、高エネルギー加速器研究機構の若槻研究室との共同研究でX線結晶構造解析を行った。Tom1-GATドメインは3本のα-ヘリックスから構成されており、ユビキチンと結合するサイトは2ヶ所存在することが明らかになった。 Tom1と相同性の高いタンパク質として、Tom1 Like-1とTom1 Like-2が存在する。GST-pull down解析や免疫沈降法によって、これらのタンパク質もTom1と同様にユビキチン、Tollip、Clathrinのいずれとも結合することを確認した。
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Research Products
(1 results)