2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J50152
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
韓 路 群馬大学, 生体調節研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | グラニン蛋白 / セクレトグラニンIII / クロモグラニンA / PC12 / 膵β細胞 / プロセシング |
Research Abstract |
成長ホルモンやインスリンなどペプチドホルモンは、内分泌細胞のトランスゴルジネットワーク(TGN)で内分泌顆粒内へ選別輸送され、顆粒内に貯留される。内分泌細胞がグルコースなどの細胞外刺激を受けると分泌顆粒は細胞膜と融合し、その内容物であるペプチドホルモンを放出する。NIHのLoh博士等はプロホルモンプロセシング酵素の一つカルボキシペプチダーゼE(CPE)が選別受容体であるという説を提唱した。申請者の研究室では更にグラニン蛋白の一つセクレトグラニン」(SgIII)が選別受容体としてクロモグラニンA(CgA)を顆粒内に導くことを示した。しかし選別輸送の研究で頻用されている副腎髄質由来PC12細胞にはSg」は存在しないとされ、CgAがPC12の顆粒に入る理由が謎であった。 本研究では、PC12でSgIIIの代わりとして機能する選別受容体を探索した。 CgAを標識マーカーであるグルタチオン-Sトランスフェラーゼ(GST)と結合させた融合蛋白をバクテリアで作製し、グルタチオンカラムに結合させる。PC12細胞抽出液を流し、CgAと結合する蛋白群をCgAとともにグルタチオンで流出させる。電気泳動後、ゲルをシルバー染色して結合蛋白を探索したSgIII抗体りサイズの大きいタンパクがCgAと結合することが判明した。そこでSgIIIにFLAGタグをつけ、PC12に発見させた。これが真のSgIIならFLAG抗体で染色されるSgIIIと一致するはずである。実験結果は事実この通りで、膵β細胞ではSgIIIは2つのサイズにプロセスされるが、PC12ではプロセスされず、大型の状態で存在することがわかった。PC12ではプロホルモンプロセシング酵素PC1とPC2の発見が低く、SgIIIが切断されないと考えられる。
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