2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J50352
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
井堀 宣子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | テレビゲーム / 教育 / 内容分析 |
Research Abstract |
現存する教育的テレビゲームの内容分析を実施した.内容分析の方法として,これまでの先行研究で使用された評価尺度をピックアップし,それらをもとに,内容分析のための項目,さらに各項則に対するマニュアルを作成した.8名程度の大学生にコーダーとして協力をいただき,2度の予備調査を実施し,項目,マニュアルをともに洗練させ,本調査を実施した.内容分析の対象としたテレビゲームは,オンラインソフト販売会社の幼児教育ソフトウェア部門,および児童教育用ソフトウェア部門のソフト売上ランキングの上位に頻出していたソフト制作会社と,BCN総研による販売数調査で上位を占めていたソフト制作会社のあわせて3社が販売するソフトから選出したものであった.内容分析を行った結果,教育的テレビゲームの優れた点として以下のような特徴が導き出された.入力が非常に簡便かつ明解で,ハード面の性能に関しても,誤作動が少なく,学習スタイルとして,レクチャー形式ではなく学習者参加型の指導がなされており,教育的テレビゲームで成績向上に効果的であるといわれている素早いフィードバックが用いられていることなどが明らかにされた.さらに,短所として考えられる結果として,即時的なフィードバック,正解不正解の明確な提示といった,大まかな指導はなされるものの,より決め細やかな指導については改善の余地があること,学習材料に関しても,コンピュータの特性を十分に活かしたものは未だ少なく,創造性を刺激する学習材料や,他者と協力を促す複数の学習者が一緒に挑戦する問題もほとんどなく,全体的にドリルや少々の参考書をアニメ化しただけの教育的テレビゲームが多いことなどが明らかになった.
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