2004 Fiscal Year Annual Research Report
有機無機ハイブリッド膜のゾルゲル合成による燃料電池の高効率化
Project/Area Number |
04J50491
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
大幸 裕介 名古屋工業大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ゾルゲル法 / プロトン伝導 / 燃料電池 / メタノール酸化 / 触媒 / メタノール透過率 |
Research Abstract |
乾燥させた高分子電解質膜(Nafion【○!R】)に無機成分(TiO_2・SiO_2)の前駆体を含浸させた後,加水分解・重合反応を行い有機無機ハイブリッド電解質膜を作製した.温度とpHを調整した酸および塩基触媒を用いた二段階の反応を行うことにより,100℃未満の低温で加水分解・重合反応を進ませることに成功した.この後,さらにリン酸で処理してリン成分を付加した.この方法では,高分子膜中に〜50wt%の無機成分(TiO_2・SiO_2・P_2O_5)を導入できる.導入量は含浸時間により制御可能であった.無機成分は膜内部で重合しているため,作製したハイブリッド膜のメタノールによる膨潤は,未処理の膜と比べて1/3以下と大きく抑制できた.室温でのメタノール透過率を評価したところ,無機成分の導入に伴い,透過率は大きく減少した.さらに高分子膜の機械的強度についても改善することができた.しかし一方で,プロトンの伝導度も低下した.スピン-格子緩和時間の測定より,ハイブリッド膜のイオンチャンネル内に吸着した水分子は,未処理の膜と比べて,より狭い空間で束縛された状態で存在していることが明かとなった.無機成分はNafionのイオンチャンネル内で主に重合しており,メタノールの透過を抑制する一方で,プロトンの伝導を阻害していると考えられた.電解質膜を燃料電池セルに組み込み,メタノール溶液を燃料に用いて室温で発電試験を行った.ハイブリッド化することで,1.5倍程度高い電流値を取り出すことが可能となった.導入量の制御が重要で,ハイブリッド化することの有用性を示した.
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Research Products
(4 results)