2004 Fiscal Year Annual Research Report
ゲーム理論におけるチープトークの役割に関する実験研究、およびその理論的考察
Project/Area Number |
04J52301
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山森 哲雄 東京大学, 経済学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 実験経済学 / ゲーム理論 / チープトーク / 独裁者ゲーム |
Research Abstract |
平成16年度は、ゲーム理論におけるチープトークの役割に関する実験を二度実施した。一方は、利害対立が顕著な状況における仲裁者の役割に関する実験である。具体的には、独裁者ゲームにおける当事者(服従者)の「声」と仲裁者の「声」の効果を比較している。この実験により、仲裁者と当事者ではその「声」の効果に大きな違いがあることが確認された。特に、仲裁者の「声」の方が服従者の「声」に比べ、より独裁者の行動に影響を与えることがわかった。これらの結果は、統計的処理を施し、「当事者の声と第三者の声」という論文にまとめた。これは東京大学の「経済学論集」に掲載される予定である。他方は、ゲームの構造に関してはこれまでに行ったチープトークに関する実験と同様であるが、チャットシステムを利用することにより、当事者間の自由な議論を可能にした実験である。これにより、当事者の行動調整がどのような議論によって行われているのかを明確にすることができた。 平成16年度は,学会、セミナー等にも精力的に参加し、これまでに実施したゲーム理論におけるチープトークの役割に関する実験結果を発表した。具体的には、東京大学、チューリッヒ大学でのセミナー、岡山大学で行われた日本経済学会秋季大会、アムステル大学で行われたESAミーティングで研究報告をいった。また、東京大学で発表した論文、「Voice Matters in a Dictator Game」はCIRJEのディスカッションペーパーに掲載された。
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