2004 Fiscal Year Annual Research Report
自己説明性および進化容易性を有する電子自治体シミュレータに関する研究
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04J54141
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Research Fellow |
早坂 良 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 自己説明性 / アカウンタビリティ / 進化容易性 / 電子自治体 / アスペクト指向プログラミング / サブジェクト指向プログラミング / ソフトウェアプロダクトライン / フィーチャ指向開発 |
Research Abstract |
本研究の目的は、自己説明性および進化容易性を有するソフトウェア構造を研究し、また、その成果を利用して、革新的な電子自治体シミュレータを開発することにある。本年度は、以下の3点について研究を実施した。 1.富山県の協力を得て、電子自治体シミュレータの適用対象を行政手続きオンライン化条例の電子化システムに決定し、関連する条例、ビジネスルール、行政組織、現在のシステム構成についての情報を収集・整理した。 2.電子自治体システムより規模の小さい電子社会システムである電子大学の履修管理システムを対象として、自己説明性と進化容易性の定義を行った。自己説明性については、システムに関わる3つの役割(一般利用者、サービス担当者、システム開発・保守担当者)の関心の違いに応じて異なる機能定義を行った。進化容易性は、追跡可能性、変更波及解析、変更範囲の局所化の3つの要件から成ると定義した。これらの要件は、進化容易性の実現のために最低限必要なものと考えている。 3.自己説明性および進化容易性の実現のための基礎技術として位置づけていた、以下の既存のソフトウェア開発手法の適用の検討を行った。 (1)アスペクト指向プログラミング システムの処理の実行履歴を記録するアスペクトを使用することにより、一般ユーザに対する自己説明性の"処理結果の説明"機能の実現に応用できる。 (2)サブジェクト指向プログラミング サブジェクトによりサブシステムを構成し、それを統合してアプリケーションを構成する概念・手法は、進化容易性の変更範囲の局所化の実現に応用できる。 (3)ソフトウェアプロダクトラインを用いたフィーチャ指向開発 製品系列を系統的に分類・管理し開発を行うという手法は、システムを構成する各コンポーネントに変更が加えられ、そのコンポーネントを系統的に組み合わせてシステム全体を進化させていく、進化容易性の変更波及解析の実現に応用できる。
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Research Products
(1 results)