2004 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロサテライト・SNPによるパーキンソン病疾患感受性遺伝子の網羅的な解析
Project/Area Number |
04J61625
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤掛 伸宏 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | パーキンソン病 / 多因子病 / 疾患感受性遺伝子 / マイクロサテライト / SNP |
Research Abstract |
パーキンソン病(PD)は多因子遺伝性疾患と考えられ、家族性PDではα-synucleinやparkin遺伝子が発見されたが、患者の大部分を占める孤発性PDでは疾患感受性遺伝子は証明されていない。本研究では、1.pooled DNA法による高密度マイクロサテライトマーカーを用いた全ゲノムスキャン、2.疾患感受性候補遺伝子に対するSNPのタイピングという異なる二つの関連解析から疾患感受性遺伝子を同定することを目的とし、以下の結果を得た。 1.pooled DNA法によるゲノムワイドマイクロサテライト関連解析では平均100kb間隔に配置された約27,000マーカー全てに関して、別検体群(1次124検体、2次250検体、3次250検体、計624検体)での1次、2次、3次スクリーニングを段階的に行い,候補領域を絞り込んだ。その結果、1-3次スクリーニング通して、p<0.05(2×2 or 2×m)の関連を認めるマーカーを、71マーカーまで絞り込んだ。これらと連鎖不平衡にある遺伝子が孤発性パーキンソン病の疾患感受性遺伝子ではないかと考えている。 2.遺伝学的、分子病態学的な視点から家族性PD、ドーパミン、タンパク質分解などに関与する遺伝子を疾患感受性遺伝子の候補として122個選び出し、これらの遺伝子上にあるSNPs(計267個)について関連解析を行った。PD患者対照各190人の検体について、multiplex PCR法、インベーダー法を用いてSNPタイピングを行い統計解析したところ、16個の遺伝子上の計22個のSNPsで有意な関連が確認された。これらの遺伝子には疾患感受性遺伝子が含まれていると考えている。
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