2004 Fiscal Year Annual Research Report
キネシンスーパーファミリーKIF4の細胞内における機能解析
Project/Area Number |
04J84304
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
緑川 良介 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | KIF4 / PARP-1 / neuronal apoptosis / Activity-dependent neuronal survival / Poly (ADP-ribosy)lation / Immature neuron / Cerebellar granule cells |
Research Abstract |
キネシンスーパーファミリー(KIFs)に属するKIF4は、幼若期の組織において発現が高く、細胞内では主に核内に分布するモーター蛋白質である。本研究結果より、KIF4は核内酵素の一種として知られて入るPoly-(ADP ribose)polymerse(PARP)の抑制因子であることが明かとなった。またこのKIF4によるPARP活性抑制効果によって幼若期における神経活性依存的な神経細胞の淘汰機構を制御していることがES細胞のin vitroでの分化誘導により作製した中枢神経系の神経細胞を用いた種々の実験結果より明かとなった。さらに、神経細胞の脱分極化に伴いKIF4は核内より神経突起上に移行することが明らかとなったことから、神経活性依存的な生存機構を発動した神経細胞では,KIF4はPARPに対する抑制因子としての機能を失い何らかのcargoをanterogradeに輸送するモーター蛋白質として機能するようになる可能性が示唆された。 次に、これらの現象がマウスの中枢神経系においても実際にみられるものであるか確認するため、小脳の顆粒細胞に着目し解析を行った。その結果、RNAi(RNA interference)法によりPARPをknock downした顆粒細胞あるいは、PARP阻害剤を投与した顆粒細胞では神経活性依存的な生存効果が抑制されることが確認された。また脱分極誘導後に、KIF4はPARP活性依存的に核より神経突起へ移行することも確認されたことから、発生段階における小脳において上述の細胞淘汰機構が存在することが示された。現在、以上の研究内容を雑誌cellに投稿し、reviewerに要求された幾つかの実験を行っているところである。
|
Research Products
(1 results)