1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05041024
|
Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
中牧 弘允 国立民族学博物館, 第1研究部, 助教授 (90113430)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SANTOS Anton エミリオ, ゲルジ博物館・人文学部, 人類学科長
MONTEIRO Clo アクレ大学, 人文学部, 教授
COUTO Fernan ブラジリア, カトリック大学, 講師
ARRUDA Luiz・ アマゾナス大学, 生物学研究所, 教授
古谷 嘉章 九州大学, 比較社会文化研究科, 助教授 (50183934)
原 毅彦 信州大学, 教養部, 助教授 (20218621)
武井 秀夫 千葉大学, 文学部, 助教授 (50226982)
木村 秀雄 東京大学, 教養学部, 助教授 (10153206)
|
Keywords | クリナ族 / カシナワ族 / サテレマウエ族 / 東トゥカノ族 / カンパ族 / シャーマニズム / 民族薬学 / 民族医療 |
Research Abstract |
中牧と武井はマナウスからサンタ・イザベルを経由して「眠れる美女」とよばれる山並みの近くまでネグロ川を航行し、インディオ系を含む沿岸住民の村落調査を実施した。 これは同時に、東トゥカノ系インディオの神話に語られる、彼らの始祖たちのネグロ川遡上の旅を確認する調査でもあった。 中牧はジュルア保護区のクリナ族の村に滞在し、前年度実施した家族・親族調査、村の空間的配置、連邦インディオ局(FUNAI)の活動などについての補足的データをあつめた。 シャーマニズムに関してはトゥクリメの儀礼を観察する機会をえた。また、幻覚性飲料のラミを飲む集会とトゥクリメ儀礼で歌われる即興的な儀礼歌の採録をおこない、その一部については簡単な翻訳を含めて意味内容の把握につとめた。 武井はサンガブリエル・ダ・カショエイラにおいて東トゥカノ系インディオの神話と民間治療師たちの呪文の収録をおこない、そのトランスクリプションの作業を助手の協力によりすすめた。 木村はジョルダン川保護区において、主にカシナワとクリナの2民族についてエクステンシブな調査をおこない、シャーマニスティックな儀礼の観察とともに、複雑な民族融合の実態に関するデータを収集した。 原はタバチンがとレティシアにおいて、レザドールやマクンベイロとよばれる民間治療師の活動について調査した。とりわけクライエントの語りの収集につとめ、ティクナやウィトトなどの民族集団が白人との接触や貨幣経済の浸透に直面して、かれらのアンデンティティーをいかに再構築しているかについての資料をあつめた。 古谷はジュタイ川の下流域を調査し、FUNAIの活動に参加して住民との接触をはかるとともに、ビア川流域でカトゥキ-ナ族の教育・医療活動に従事しているOPAN(カトリック系支援団体)から情報を集め、次年度の調査に備えた。ブラジル側分担者もそれぞれ別紙の地域・民族においてシャーマニズムならびに民族薬学の調査を実施した。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 武井 秀夫: "「宗教と医療の多元主義-北西アマゾン先住民の場合」" 『ラテンアメリカ 宗教と社会』. 243-271 (1994)
-
[Publications] 中牧 弘允: "「幻覚性植物と癒し 幻覚の未来」" 『季刊 民族学』. 71. 66-71 (1995)
-
[Publications] 原 毅彦: "「幻覚性植物と癒し 癒しの現場」" 『季刊 民族学』. 71. 72-79 (1995)
-
[Publications] 中牧 弘允: "「インディオ社会への関門」" 『月刊みんぱく』. 211. 15-17 (1995)