1993 Fiscal Year Annual Research Report
スギ科樹種の分子系統分類および生態遺伝・生態生理学的特性に関する研究
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05041080
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大庭 喜八郎 筑波大学, 農林学系, 教授 (80176982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GAVIN F.Mora CSIRO Division of Forestry (Australia), 研究員
黄 啓強 貴州省林業科学研究院 (中華人民共和国), 研究員
津村 義彦 森林総合研究所, 生物機能開発部, 主任研究官
丹下 健 東京大学, 農学部, 助手 (20179922)
松本 陽介 森林総合研究所, 森林環境部, 研究室長
戸丸 信弘 筑波大学, 農林学系, 助手 (50241774)
中村 徹 筑波大学, 農林学系, 講師 (60015881)
内田 煌二 筑波大学, 農林学系, 講師 (10015670)
荒木 眞之 筑波大学, 農林学系, 助教授 (80193077)
山根 明臣 筑波大学, 農林学系, 教授 (30182588)
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Keywords | スギ科 / Taiwania属 / Cunninghamia属 / Metasequoia属 / Athrotaxis属 / 分子系統分類 / 集団遺伝学 / 生態学 |
Research Abstract |
本研究は、スギ科10属16種を対象とし、葉緑体等のDNA分析によりスギ科樹種の分子系統分類を行い、生態学・生態生理学・集団遺伝学の3分野からスギ科樹種の種特性を解明することを目的としており、本年度の研究実績は以下の通りである。 1.系統分類 研究対象としているスギ科10属16種のうちオーストラリア(タスマニア)に分布する3種を除く9属13種については、DNA分析用試料として、筑波大学や森林総合研究所等に植栽してある個体から若芽を採取した。これらの若芽から抽出した全DNAを用い、PCR法により4種類(rbcL,psbA等)の遺伝子の増幅を行い、得られたPCR産物を用いてRFLP分析を行った。得られた制限酵素断片部位のデータから分子系統樹を試作した。その結果、Sciadopitys verticillata(コウヤマキ)が他の樹種から系統的に大きく異なることが推定された。 2.種特性 (1)生育立地の生態学的研究 中華人民共和国に分布するTaiwania flousiana(ウンナンスギ)、Cunninghamia lanceolata(コウヨウザン)、Metasequoia glyptostroboides(アケボノスギ)の各林分、さらにオーストラリアのタスマニアに分布するAthrotaxis cupressoides(タスマニアスギ)、A.laxifolia(ヒメタスマニアスギ)、A.selaginoides(オオタスマニアスギ)の各林分について、植生調査等の生態学的調査を行った。得られたデータは現在解析中である。 (2)集団遺伝学的研究 上記の各樹種に加えて、わが国に分布するS.verticillata(コウヤマキ)の林分から集団遺伝学的解析のための試料である針葉を採取し、DNA分析のために全DNAを抽出した。今後、これらの試料を用いてアイソザイム分析もしくはDNA分析を進める予定である。
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