1994 Fiscal Year Annual Research Report
マラリア原虫抗原変異機構の解析とBCG菌を利用したマラリアワクチン開発
Project/Area Number |
05044168
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀井 俊宏 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (80142305)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 智彦 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (90252709)
JERAPAN Krun チュラロンコン大学, 医学部・生化学教室(University of Chulal, 教授
BZIK David J ダートマス医科大学, 微生物講座(Dartmouth Medical School, 助教授
ARMAH Geroge ガーナ大学, 野口記念医学研究所(University of Ghana,Nogu, 研究主任
INSELBURG J ダートマス医科大学, 微生物講座(Dartmouth Medical School, 教授
|
Keywords | 熱帯熱マラリア / 三日熱マラリア / ワクチン / 合成遺伝子 / SERA蛋白質 / マラリア抗原 |
Research Abstract |
SERA(serine・repeat antigen)蛋白質(111kDa)は熱帯熱マラリア(Plasmodium falciparum)において同定された主要抗原の一つであり、有望なワクチン候補と考えられている。本研究においては、レコンビナントSERA蛋白質を利用したマラリアワクチンの開発を目指して、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium lalciparum)由来の蛋白質(SERA蛋白質)を大腸菌を用いて発現させ、精製した蛋白質を動物に免役して得られた抗血清のマラリア原虫に対する影響を調べた。使用したレコンビナント蛋白質は、人工遺伝子を合成DNAによって構築することによって大腸菌において発現した、SERA蛋白質(989残基)のN末端側の領域(SE47')及び、中央付近の領域(SE50A)である。これらを精製し、マウス及びラットから抗血清を調製した得られた抗血清によって、in vitro培養の熱帯熱マラリア原虫の増殖阻害実験を行った。その結果、抗SE47'抗体は抗SE50A抗体に比べて、強いマラリア増殖の阻害効果を有していた。また、SE47'蛋白質を可溶化した状態は、不溶化した場合に比べ、強力な阻害効果を持つ抗血清が得られた。しかしながら、米国ダ-トマス大学との共同研究として行なっているSE47'蛋白質を用いたサルのワクチントライヤルは現在進行中であるが、マラリア感染に対する良好な防御効果は今だ得られていない。一方、SE47'蛋白質は、その精製過程において高度の重合体を形成することが明かとなった。ワクチンの実用可には溶液内における蛋白質の重合状態を把握し、それを解消しなければならないと考えた。そのため、レコンビナントSERA蛋白質が多量に含むトリプトファンに着目し、種々の条件下におけるトリプトファンの蛍光変化を指標として線偏光二色性(LD)により重合状態を測定した。得られた情報をもとに、現在、S347'の精製方法を改善している。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] T.Sugiyama,K.Suzue,M.Okamoto,J.Inselburg,K.Tai and T.Horii: "Recombinant SERA proteins of Plasmodium falciparum induce growth inhibitory anti-sera against asexual stage of malaria parasite" Moiecular and Biochemical Parasitology. (Submitted)