1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05101003
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大泊 巌 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30063720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷川 庄一郎 筑波大学, 物質工学系, 教授 (90011080)
川原田 洋 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (90161380)
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Keywords | シングルイオン / シングルイオン注入 / FIB / 点欠陥 / 物性制御 / 陽電子消滅 / 極微構造 / 表面構造相転移 |
Research Abstract |
極微構造半導体の物性制御の手段として、イオンを1個ずつ抽出して、試料の極微小部に注入するシングルイオン注入法(Single Ion Implantation,SII)の実現のために、(1)シングルイオンの抽出及び照射領域への照準、(2)SIIによる結晶欠陥生成の温度依存性を解明するための試料冷却機構、(3)その場熱処理を可能にするための急速熱処理機構、の設計を行い、製造業者と機密に緊議を行いつつ製作を委託した。平成5年度末の納入を持って試運転を行える段階に至った。 極微構造半導体におけるSIIの効果を解明するためのテスト試料の構造ならびにプロセスの検討を行い、寸法100mum〜2mumの加工を本学共同利用施設において、又0.1〜0.05mumの加工をシングルイオン注入装置を用いて、それぞれ行う方針を固めた。その中間領域の加工は外部に委託することとし、近く協議を行う予定である。 SIIに伴って導入される点欠陥の解明を目的として、単色陽電子ビームラインの整備および陽電子消滅gamma線測定システムの整備を行った。高計数率Ge検出器、極低温小型冷凍器、赤外線導入加熱装置、非磁性加速管、制御用コンピュータ等の導入により、(1)電場併用型Si高効率陽電子モデレータの原理的開発に世界で最初に成功した、(2)高計数率陽電子消滅計測の試行の結果として半導体中の点欠陥の深さ分布の検出に成功した。これらの成果は、既に、印刷中のものを含めて70篇以上の論文として公表した。これらの成果を基礎として、次年度の計画に万全の構えで臨んでいる。 極高真空中で、酸素含有量の異なるSi(111)結晶について、構造相転移温度を酸素被曝量の関数として計測した結果、高温の清浄化処理後の冷却速度によって相転移温度が異なる現象を発見した。
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