1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05203102
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
菅原 聰 信州大学, 農学部, 教授 (80021046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白幡 洋三郎 国際日本文化研究センター, 助教授 (10135543)
赤坂 信 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (30143267)
中堀 謙二 信州大学, 農学部, 講師 (00143991)
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Keywords | 森林観 / 西洋と東洋の比較 / 古代と現代の比較 / 里山 / 技術と生態 / 森林風景 / 経済と風景美 / 森林と宗教 |
Research Abstract |
平成5年度には、国内調査として、地域住民の森林観の調査・大学生の森林認識の調査・山村においての森林の利用状況の調査・日本人の自然観に関する予備調査・森林休養についての調査・森林風景についての調査・里山についての調査をおこない、海外調査として、ドイツ・フランス・オーストリー・北欧・イギリスならびにカナダで森林観と森林施業の調査をおこなった。そして、平成3年度と平成4年度の調査結果とを合わせて、「森林観の比較研究」として、次のようにまとめることにした。 (1) 東西の森林観:東洋と西洋について、とくに宗教との関係をめぐって、森林観を比較した。 (2) 呼吸する里山:信州においての農民と里山との変遷を、資料(古文書・古絵図など)を用いて探るとともに、山村においての農民と森林との交流についての調査に基づいて、里山をめぐる森林観の推移を明らかにした。 (3) 森林風景の行方:森林は人間によって創られたものであるから、森林風景は森林観と密接に関係している。技術的視点で森林風景の創造について接近し、現代人の森林観と現代社会においての技術展開の方向から森林風景の行方を探った。 (4) 大英帝国の森林の盛衰:イギリスで大英帝国時代に森林がどのように取り扱われたかについての考察を通じて、森林観と森林の盛衰との関係を明確にした。 (5) 変貌する森林観:森林観は社会構造と密接な関係にある。古代社会では神秘のなかに森林をみていたが、農耕社会で有用な存在となり、工業社会では無用となり、情報社会では貴重なものとなってきた森林に対しての森林観の推移を明らかにした。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 菅原聰: "小中学生の森林認識と森林体験" 日本林学会中部支部大会発表論文集. 42. 33-36 (1994)
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[Publications] 菅原聰: "「知っている樹種」に対する回答の構造" 日本林学会中部支部大会発表論文集. 42. 37-40 (1994)
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[Publications] 菅原聰: "森林と人間" リンケイ新聞出版局, 128 (1993)
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[Publications] 白幡洋三郎: "日本文化としての公園" 八坂書房, 228 (1993)
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[Publications] 有木純善: "国際化時代の森林資源問題" 日本林業調査会, 315 (1993)
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[Publications] 梅原猛: "草原の思想・森の哲学" 講談社, 253 (1993)
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[Publications] 梅原猛: "森の文明・循環の思想" 講談社, 244 (1993)
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[Publications] 河合雅雄: "もり 人 まちづくり" 学芸出版社, 301 (1993)