1993 Fiscal Year Annual Research Report
南北問題における社会経済的指標の検討-永続可能な発展の視点から-
Project/Area Number |
05207202
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
中村 尚司 龍谷大学, 経済学部, 教授 (50172424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 守 大阪外国語大学外国語学部, 助教授 (50163811)
広岡 博之 龍谷大学, 経済学部, 助教授 (60192720)
河村 能夫 龍谷大学, 経済学部, 教授 (10121625)
鶴見 良行 龍谷大学, 経済学部, 教授 (70217397)
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Keywords | 南北問題 / 社会経済的指標 / 持続可能な開発 / 循環性 / 多様性 / 関係性 |
Research Abstract |
政治的な独立を達成した後に野心的な工業化が進めたアジア諸国では、急激な社会生活の変化と環境破壊を引き起した。南北間の経済格差とともに、南側諸国内における社会階層間や地域間の格差拡大も深刻である。永続可能な発展を目標にして、環境問題に配慮した新しい南北問題の社会経済指標を検討する必要がある。すでに、世界銀行や国連諸機関では、経済成長率以外の要因を加えた各種の社会経済指標を発表している。本研究は、社会経済発展に関する既存の諸指標を批判的に検討する一方、適切な代案を模索する。 本年度は、4回にわたる研究会を開催し、調査研究の方法に関する考察を中心に、「厚生の指標について」、「社会経済指標の研究方法」、「循環、多様、関係という視点からみた発展指標」、「アジアにおける経済格差研究の問題点」、「農村における貧困研究の国際比較」という報告と討論を行ない、個別的な地域の課題として、「フィリッピンにおける経済発展の特質」、「仏教復興運動と農村開発」、「農村金融とエンパワーメント」などのテーマを取り上げ、実証的な報告とその批判的な検討を行なった。 その一方で、東南アジアと南アジアの諸地域におけるフィールド7-7によって得られたデータに基づき、それぞれの地域社会の具体的な特殊性を考察して、国際機関による南北格差の指標の現実性を検討し、問題点の指摘を試みた。南側の対象地域としては、フィリピン、タイ、マレーシア、バングラデシュおよびスリランカを取り上げた。南北の比較に必要な北側の代表的な地域として、日本とアメリカ合衆国の対照的な指標を取り上げて吟味した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 鶴見良行: "日本の南進攻策と経済発展-サバ州のオイルパーム農園を中心に-" 『アジアからみるアジアをみる-外国人労働者と海外投資』. 45-66 (1994)
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[Publications] 中村尚司: "アジアからみるアジアをみる-外国人労働者と海外投資-" (編著) 阿吽社, 390 (1994)
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[Publications] 河村能夫: "地域活性化と計画(地域活性化シリーズ【.encircled8.】)" (編著) 明文書房, 140 (1994)