1993 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界混合流体のPVTX性質、高圧気液平衡および臨界曲線の精密測定
Project/Area Number |
05222220
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
上松 公彦 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90051721)
|
Keywords | 超臨界流体 / 臨界曲線 / 熱物性 / 熱力学性質 / PVT性質 / 等温圧縮率 / トリフルオロメタン / アンモニア |
Research Abstract |
本研究では,超臨界域におけるトリフルオロメタンの熱力学性質および超高圧液相域におけるアンモニアの熱力学性質をそれぞれ測定し,さらに,超臨界混合流体の臨界曲線測定装置の開発を行った。 1.超臨界域における測定 金属ベローズ変容法により,純度99.9999wt%のトリフルオロメタン[CHF_3]のPVT性質を,その超臨界域である温度310〜350K,密度400〜625kg/m^3の範囲で測定し,圧力5.8〜12.9MPaの範囲で72点の測定結果を得た。測定精度は,温度±4mK,密度±0.10%,圧力±0.13%である。これらの測定値から,等温圧縮率および圧力係数の挙動を明らかにした。 2.超高圧液相域における測定 既にトリフルオロエタノール水溶液の熱力学性質を測定した装置を用いて,温度310〜360K,圧力200MPaまでの範囲でアンモニアのPVT性質を測定した。使用した試料の純度は99.9995mol%であり,密度491〜654kg/m^3の範囲で176点の測定結果を得た.測定精度は,温度±3mK,圧力±0.10%,密度±0.10%である。これらの測定値から,等温圧縮率および体膨張係数の挙動を明らかにした。また,飽和蒸気圧を310〜400Kの温度範囲において10Kおきに10温度で,飽和液体密度を310,320,340,360Kの4温度において測定した。 3.臨界曲線測定装置の開発 使用温度範囲250〜500K,最高使用圧力100MPaを目標測定範囲とし,金属ベロース変容法を基本測定法とする,混合流体の臨界曲線測定装置を設計製作した。その後,性能試験を実施し,所期の目標が達成されていることを確認した。今後,各種の検定を実施したのち,超臨界流体,各種溶媒およびそれらの混合流体の臨界定数の精密測定を実施する予定である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 山田研治: "500K,100MPaまでの領域における超臨界混合流体の臨界曲線測定装置の開発" 第34回高圧討論会講演要旨集. 106-107 (1993)
-
[Publications] 神谷美好: "超臨界域におけるトリフルオロメタンの熱力学性質に関する実験的研究" 第34回高圧討論会講演要旨集. 112-113 (1993)
-
[Publications] 市原孝浩: "アンモニアの熱力学性質に関する実験的研究" 第34回高圧討論会講演要旨集. 304-305 (1993)