1993 Fiscal Year Annual Research Report
乳タンパク質由来細胞増殖分化調節物質の検索とその活性構造相関及び作用機作の解明
Project/Area Number |
05258211
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
長畦 慎一 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (90227984)
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Keywords | カゼイン / BALB / c3T3 / IEC-6 / 生理活性ペプチド / サブスタンスP / 細胞増殖因子 / 神経ペプチド |
Research Abstract |
1.「牛乳カゼインおよびその酵素分解物中の細胞増殖調節機能因子の検索」については次のような知見が得られた。即ち1)牛乳κ-カゼインを酵素トリプシンで短時間分解して得られたペプチドについて、それぞれBALB/c3T3細胞に対する細胞増殖促進能を検索した結果、いくつかのペプチドに活性が見られた。そのうちP-23についてはアミノ酸配列がκ-CN(f35-46)と判明し、P-25についてはN末端領域が判明した。2)牛乳αsl-カゼイントリプシン分解ペプチド中にBALB/c3T3細胞の増殖を抑制するペプチドが存在することが判明した。そのアミノ酸配列はαsl-CN(f165-193)と同定された。2.「牛乳カゼイン由来細胞増殖機能因子の作用機構の解明」については次のような知見が得られた。即ち前述の細胞増殖促進活性ペプチドP-25が、細胞内情報伝達に重要な役割を果たしていると考えられている細胞内チロシンキナーゼの活性を促進していることが判明した。3.「培養細胞を用いた消化管細胞増殖分化因子検索系の構築」については次のような知見が得られた。小腸上皮細胞の増殖分化調節に神経伝達物質である神経ペプチドが関与しているのではないかという考えのもと、未分化小腸上皮細胞株IEC-6において代表的な神経ペプチド、サブスタンスPの受容体が発現しているかを解析した。その結果通常培養下のIEC-6にサブスタンスP受容体のmRNAが発現していることを示唆する結果が得られた。
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