1994 Fiscal Year Annual Research Report
フェイルセーフの概念に基づくハイブリッド型セラミック基複合材料の開発
Project/Area Number |
05302049
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岸 輝雄 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40011085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横堀 寿光 東北大学, 工学部, 助教授 (00124636)
高橋 清 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (10010795)
肥後 矢吉 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (30016802)
榎 学 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (70201960)
新原 晧一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (40005939)
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Keywords | セラミックス / フェイルセーフ / ナノコンポジット / ハイブリッド複合材料 / 破壊 / 破壊靱性 |
Research Abstract |
本研究は、高温特性に優れ、強度の向上が示されたセラミックスナノコンポジットと、き裂進展抵抗(破壊靱性)著しい向上の見られる、長繊維強化セラミックス複合材料とを組み合わせたハイブリッド型セラミックス基複合材料の開発を目的とする。このとき重要なコンセプトは、小さく壊して、全体の破壊を阻止することにより、破壊靱性を向上させるフェイルセーフの概念にある。セラミックスナノコンポジットと長繊維強化セラミックスは、それぞれ独立に研究が進められてきた経緯により、ハイブリッド化の製造手法およびハイブリッド化に伴う破壊挙動のメカニズムが未知であり、その結果力学特性の定量評価法が確立していない。そこで、本研究では、1)ハイブリッド化に適したマトリックスとしてのセラミックスナノコンポジットの製造、2)長繊維表面のコーティングによる界面剥離挙動の制御により、ハイブリッド複合材料を作製し、多岐にわたる使用を考慮、3)各種力学環境における破壊機構の解明、4)ミクロ破壊の概念に基づき、各破壊レベルを総合的に取り扱う破壊の力学の確立を、目指した。 まず、セラミックスおよび金属粒子を複合したナノコンポジットをウィスカ-および棒状結晶により高靱化したハイブリッド複合材料を試作した。次に、セラミックスおよび金属粒子を複合したナノコンポジットを連続繊維により高靱化したハイブリッド複合材料を試作した。そして得られたハイブリッド複合材料の力学的特性評価として、曲げ強度/破壊靱性試験、熱衝撃/熱疲労試験、高速衝撃試験、非破壊評価を行った。そして以上の結果をフィードバックして材料設計の最適化を行ったところ、従来よりも高強度、高靱性のハイブリッド複合材料を開発し、またその破壊メカニズムの解明および破壊モデルを確立することができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Enoki: "Stochasic Microfracture Process of Ceramics" Materials Science and Engineering. A176. 289-293 (1994)
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[Publications] B.K.Jang: "Fabrication and Microstracture of Al_2O_3-SiC-YAG Hybrid Composites Prepared by Particulate Dispersion" The Journal of the American Ceramic Society. 76. 1375-1376 (1994)
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[Publications] 向後保雄: "異方性複合材料中におけるZrO_2粒子の相変態による高靱化の解析" 日本金属学会誌. 58. 8-14 (1994)
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[Publications] 志波光晴: "アコースティック・エミッションの放射形式計測によるアングルプライCFRP積層板の微視割れモード評価" 日本複合材料学会誌. 20. 99-107 (1994)
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[Publications] 張 炳國: "ナノSiC粒子分散によるAl_2O_3セラミックスの微細組織の制御" 日本セラミックス協会学術論文誌. 102. 863-867 (1994)
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[Publications] 津田 浩: "SiC繊維強化ガラスの破壊過程の解析" 日本金属学会誌. 58. 1393-1400 (1994)