1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05303001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 良 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40011762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相沢 省一 群馬大学, 工学部, 助手 (20008527)
山本 聡 琉球大学, 理学部, 講師 (50124855)
中森 亨 東北大学, 理学部, 助教授 (00192229)
藤巻 宏和 東北大学, 理学部, 教授 (90133933)
一国 雅巳 埼玉大学, 工学部, 教授 (20005804)
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Keywords | 炭酸塩岩 / 微量元素 / 同位体組成 / カルスト / 石灰洞 / 生物礁 |
Research Abstract |
地球表層環境の変動を炭酸塩の堆積、溶解と言う側面から検討する事を共通のテーマとして、堆積学、古生物学、地球化学、分析化学の専門家が共同研究をすすめた。期間中、学会シンポジウムを含め、研究会を8回持った。互いのデータと研究手法に関する情報を交換することがこの総研の目的の一つでもあり、そのインパクトは将来のためにも大きかった。研究は多岐にわたりここにすべてを網羅する事は出来ないので、そのいくつかを記す。 1.イラン北部の上部先カンブリア系〜下部カンブリア系において、炭酸塩の炭素同位体組成が始め著しい負の異常を、次に比較的安定した正の異常を示すことが明らかとなった。これは、先カンブリア時/カンブリア紀境界において、海洋水が急激に有機物起源の炭酸に富み、引き続いて生物生産性が高くなった事を示唆する。その後、オルドビス紀にかけて、さらに1〜2度、このような変動がみとめられた。 2.現生サンゴ骨格の微細構造と化学組成、同位位組成の変動要因として、降水量、日照、温度の他に、水深の重要性が指摘された。 3.ストロンチウム同位体層序の手法を適用する事により、中新統リ-フ石灰岩体(女神石灰岩)でドロマイトが生成した時代は、海水準の低下期に当たる事が明らかにされ、ドロマイト化作用の混合水モデルがここでも当てはまる事が分かった。 4.温帯域におけるカルストと石灰洞形成の研究から、大気二酸化炭素濃度の変動に密接に関係する炭酸塩の溶解速度が、植生と気温に大きく影響されることが示された。 生物源炭酸塩の化学組成、同位体組成の環境指示因子としての重要性があらためて強調されたが、同時に、生体鉱物化作用や反応速度の早い沈殿における、非平衡の問題をどのように解決するか、が次の問題として抽出された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Matsumoto,Zheng,Kakuwa and Kimura: "Preliminary vesults of Paleovnagnetic stady on the Cambrian to the Triassic vocks of the Albor2,Novtheast Iran" Jour.Fac.Sci.Univ.Tokyo. 22. 18-29 (1994)
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[Publications] 松本 良: "海底メタンハイドレートの資源ポテンシャルに関する検討課題" 石油技術協会誌. 60. 35-46 (1995)
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[Publications] Schenk,Matsumoto,and Bitter: "Loch Macumber(earlyCarbaniferous.)of Aflantic Canada." Jour.Paleolimnology. 11. 151-172 (1994)
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[Publications] Schenk,Matsumoto,and Bitter: "Deap-basin/deep-water carbunate-euapurite deposition of a saline giant-Loch Macumber(Visean)Atlantic Canada" Carbonates and Evaporites. 9. 187-210 (1994)
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[Publications] 狩野 彰宏,吉田 靖: "秋吉帯石灰岩の不連続的堆積" 地質学雑誌. 100. 731-742 (1994)
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[Publications] S.Yamamoto.: "Accreteh Mesozoic pelagic seamount in Chiraiguarry,Hokkaido,Japan" Paleogeogiaphy,Paleoclimatology paleo ecology. 105. 125-137 (1993)
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[Publications] 松本 良,奥田 義久,青木 豊: "日経サイエンス社" メタンハイドレート・21世紀の巨大天然ガス資源, 253 (1994)