1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05304021
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
豊田 裕 東京大学, 医科学研究所, 教授 (90050418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中潟 直己 (財)日本生物科学研究所, 研究員 (30159058)
馬場 忠 筑波大学, 応用生物化学系, 助教授 (40165056)
斎藤 泉 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (70158913)
岩倉 洋一郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10089120)
佐藤 英明 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (80093243)
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Keywords | 初期発生 / 体外受精 / 胚培養 / 性比 / 卵成熟 / 減数分裂 / 卵丘 / PCR |
Research Abstract |
1.マウス初期胚における着床前の発生速度におよぼす性差の影響 個体発生過程における表現型上の性の分化は、すべて生殖腺の分化に伴う二次的なものであると考えられているが、その遥か以前の初期胚において既に表現されていることが本研究によって示唆された。すなわち、体外受精に由来するC57BL/6Nマウス胚を用いて、Y染色体上の遺伝子であるZfyの塩基配列をPCR法で特異的に増幅することによって、正確な性の判定ができることをまず確認し、次いでこの方法を用いて桑実胚から胚盤胞への発生時期と胚の性との関係を検討した。その結果、速、中間、遅胚における雄胚の比率はそれぞれ、76.9,52.2,42.3%であり、発生速度の早い胚において雄胚の割合が有意に高く、一方、発生速度の遅い胚では雌胚が有意に多いことが明らかになった。この性比の偏りは、胚移植実験によっても確かめられた。 2.卵成熟過程における卵母細胞・卵丘細胞複合体の構造変化の解析 雌マウスに性腺刺激ホルモンを投与して卵母細胞・卵丘細胞複合体の構造変化を誘導し、卵核胞崩壊とそれに続く減数分裂の過程における変化を組織化学的に検討した。その結果、強く陰性に荷電しコロイド鉄に結合する物質が卵胞組織、特に卵丘の細胞間に出現することが見出された。グリコサミノグリカンと推定されるこの物質は、減数分裂開始時期に顆粒膜細胞層と卵丘との間に蓄積し、それにともなって卵丘は顆粒膜細胞層から離れて行くので、卵母細胞を卵胞内の抑制機構から開放し、卵成熟を誘導する機構として重要な役割を果たしているものと考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 豊田 裕: "PCR sexing and developmental rate differences in preimplantation mouse embryos fertilized and cultured in vitro." Molecular Reproduction and Development. 35. 121-126 (1993)
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[Publications] 佐藤 英明: "Morphological profiles of mouse ovarian follicles:extensive accumulation of a strongly negative changed substance at specific fool in follicular tissue during oocyte maturation." Arch.Histol.Cytol.56. 293-302 (1993)