1993 Fiscal Year Annual Research Report
長野県大室古墳群における積石塚古墳とその性格に関する研究
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05401012
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
小林 三郎 明治大学, 文学部, 教授 (90061928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 日出志 明治大学, 文学部, 助教授 (40159702)
大塚 初重 明治大学, 文学部, 教授 (00061771)
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Keywords | 大室古墳群 / 168号墳 / 積石塚古墳 / 方墳 / 合掌形石室 / 土師器 / 須恵器 / 円筒埴輪 |
Research Abstract |
1993年度の調査は、大室古墳群・大室谷支群・ムジナゴーロ単位支群を対象として実施した。同単位支群は大室谷の小支谷に沿った形で古墳分布がみられるが、南北300mの範囲に40-50基の古墳が存在すると推定されている。分布調査の結果からみると、No.157号墳からNo.204号墳までの48基が確認されているが、破壊の著しいものはその存在を確認することがむづかしいので、古墳総数は発掘調査を継続する中で再確認することになる。 1993年度の発掘調査は、ムジナゴーロ単位支群中の南方に位置する168号墳を対象として実施した。本墳は以前から合掌形石室をもつ円墳として知られていた。樹木伐採、草木の除去作業を終了した結果からみると、本墳は典型的な墳石塚であることを確認しえた。しかも、墳丘積石の実測調査によって判明したことは、一辺約15mほどの方墳であることも確認された。合掌形石室は、すでに盗掘を受け、天井石の一部も除去されていて、全形をとどめないが、十分に復原可能な資料が得られた。石室内法約3m、幅0.8m、深さ1.3mほどあって、合掌形を示す天井石が4枚残存している。墳丘を構成する積石は安山岩角礫を用いていて、積石の空隙部分から土師器片、須恵器片、埴輪片を採集しえた。また、墳丘南側の石室部分に寄った部分で、円筒埴輪の一括資料を検出した。埴輪が墳裾をめぐるかどうかは、次期調査に期待したい。
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Research Products
(1 results)