1993 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子工学、細胞工学を用いた粥状動脈硬化発症機序に関する研究
Project/Area Number |
05404039
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北 徹 京都大学, 医学部, 教授 (60161460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 之彦 京都大学, 医学部, 助手 (70252434)
久米 典昭 京都大学, 医学部, 助手 (20252455)
横出 正之 京都大学, 医学部, 講師 (20252447)
土井 俊夫 京都大学, 医学部, 講師 (60183498)
村上 元庸 京都大学, 医学部, 助教授 (10157761)
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Keywords | 単球接着分子 / マクロファージ / リゾフォスファチジルコリン / LDL / 動脈硬化 / 内皮細胞 / WHHL-ウサギ / 泡沫細胞 |
Research Abstract |
遺伝子工学細胞工学を用いた粥状動脈硬化発症機序に関する研究をめざす我々の研究は順調に進行している。 粥状動脈硬化の発症の最初の段階は単球の内皮細胞への接着と内皮下層への侵入である。我々はLDLの酸化過程で生ずるリゾフォスファチジルコリン(LPC)が内皮細胞においてVCAM-1の発現を誘導すること、更にそれがPKCを関与しない機構で行われることを明らかにし、その分子機構を細胞内情報伝達系ならびに遺伝子転写制御機構の両面から解析しつつある。 さらに単球はマクロファージに分化したのち酸化LDLをとりこみ泡沫細胞となるとされている。我々は従来マクロファージおよび肝クッパー細胞における酸化LDLのとりこみ機構を検討してきたが、現在酸化LDLに特異的な受容体の分離精製を、抗マクロファージモノクローナル抗体を用いて遂行中である。またマクロファージの内皮下への侵入は癌細胞の侵入機転と異なる機構によることを示唆する成績が得られてきており、その分子機構についても同定をめざす。 またこれらのin vitroの研究と平行して粥状動脈硬化モデル動物であるWHHLウサギを用いて、単球接着分子、遊走因子の発現分布をin situ hybridizationならびに免疫組織学的に解析も試みようとしている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Toru Kita,et al.: "Cigarette smoke,LDL and cholesteryl ester accumulation in macrophages." Ann.N.Y.Acad.Sci.686. 91-98 (1993)
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[Publications] Yukihiko Ueda,et al.: "Different expression of modified low density lipoprotein receptors in rabbit peritoneal macropahges and Kupffer cells." Atherosclerosis. 101. 25-35 (1993)
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[Publications] Makoto Tanaka,et al.: "Regulation of apolipoprotein B production and secretion in response to the change of intracellular cholesteryl ester contents in rabbit hepatocytes." J.Biol.Chem.268. 12713-12718 (1993)
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[Publications] Kume,N.,et al.: "Lysophosphatidylcholine transcriptionally induces growth factor gene expression in cultured human endothelial cells." J.Clin.Invest.93. 907-911 (1993)