1993 Fiscal Year Annual Research Report
新出土資料による古代医学の研究-張家山出土漢簡を中心に-
Project/Area Number |
05451004
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
坂出 祥伸 関西大学, 文学部, 教授 (30067574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大形 徹 大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (60152063)
大庭 脩 関西大学, 文学部, 教授 (50067451)
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Keywords | 導引 / 馬王堆漢墓出土帛書「導引図」 / 張家山漢墓出土竹簡「脈書」 / 張家山漢墓出土竹簡「引書」 / 経絡体系の形成 / 気の運行 / 神仙思想の影響 / 馬王堆漢墓出土竹簡「陰陽十一脈灸経」 |
Research Abstract |
研究課題に副う資料の会読を、関西大学文学部 坂出祥伸研究室に於て毎月一回行い、すでに『引書』訳注を三分の二程度進めている。本訳注は、平成六年度には完成させる予定である。会読に並行して、「張家山医書研究会」を組織し、古医書・簡帛文字に関心をもつ全国の研究者に呼びかけて、研究発表と情報交換の場を随時に開いた。今年度は9月11日(土)、京大楽友会館で猪飼祥夫氏による「『脈書』と『引書』の性格」と題する発表を聴き、11月4日(日)、京大会館で工藤元男氏による「睡虎地泰簡『白書』」に現れた治病・鬼神関係資料をめぐって」と題する発表を聴いた。以上の研究状況から、張家出土医書は馬王堆出土医書と相補的な関係にあること、また、前漢初期の神仙思想、特に「気」の運行の観念を背景にしていること、更に、黄帝内経医学の中心となる経絡観念が形成されつつある過程の、極めて主要な古代医学文献であることが判明した。よって私たちは、黄帝内経を中心とする古代医学、泰漢時代の神仙思想、簡帛古文字学の三方面から、より一層深い研究を進める必要を痛感した。そこで平成6年度は、前漢初期の絵画資料、特に帛画・画像石・画像磚などを通じて神仙説の実情をも考察したい。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 坂出,祥神: "養生書あれこれ(1)-馬王堆漢墓出土の養生書-" 『漢方通信』(帝国製薬). 第2巻6号. 9-13 (1993)
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[Publications] 坂出,祥伸: "養生書あれこれ(2)-馬王堆漢墓出土の房申書-" 『漢方通信』(帝国製薬). 第3巻1号. 8-11 (1994)
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[Publications] 大形,徹: "本草と道教" 『道教の大事典』(新人物往来社). 190-196 (1994)
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[Publications] 大形,徹: "服薬" 『道教の大事典』(新人物往来社). 240-242 (1994)
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[Publications] 大庭,脩(編): "関西大学出版部" 漢簡研究の現状と展望. 598 (1993)