1994 Fiscal Year Annual Research Report
タイ王国チャクリ朝初期の思想における主要な傾向に関する研究
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05451010
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
ROUSSOS Jason 上智大学, 比較文化学部, 教授 (50179082)
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Keywords | タイ / ラマ4世 / アンナ・レオノ-エンス |
Research Abstract |
私の研究内容はラマ4世、マハ・モングット王治世下の思想と、そのなかでの外国人使節、主としてアンナ・レオノ-エンスの果たした役割についてであります。 ラマ4世の治世に関しては西洋諸国、タイ国内双方においてかなり詳細に記されており。特に経済、社会、政治活動、また政策などに関する資料は豊富であり、私はそれらを過去二年にわたり、タイ国へ訪れ、熟読した。そこで私はこの興味深く、かつタイの歴史と思想において重要な意義を持つこの時代についてより深い理解と知識を得るために様々な資料に目を通しました。しかし、これらの資料の多くは概して王とその行動を賞賛する内容のものであり、と、同時にアンナについては“歴史的な罪"を犯したとして不当に排斥したものが多い。 本研究に置ける課題はラマ4世の治世下に置ける神話と現実を明確に区別し、いわゆるアンナ派と反アンナ派の歴史家や作家のあいだに一種の歴史的・哲学的バランスを築くことにあります。その為に私がまず成さねばならなかったのは、かつてこの時代を研究したタイ国、また外国の研究者達がこの時代、ラマ4世の人間性、外国人使節、そしてアンナ・レオノ-エンスの果たした役割、又、彼女自身についての偏見を発見し、それを最小限度に取り除くことにありました。 この為私はアンナの出身地である英国、そしてタイ国の書庫を巡り、文献をあたってきました。特に、私はこの時代に置ける外国人政治家(使者)の役割について熟読しました。 本研究において私は彼女の著作で、1870年に著されたThe English Governess at the Siamese Court:Being Revelatious of the Six Years at the RoyalPalace in Bangkok,とこれよりいくらかフィクション的であり、その3年後に著されたRomance in the Harem、を参考にしました。
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