1993 Fiscal Year Annual Research Report
情報の価値と情報システムの評価-生産・流通システムとの関連において-
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05451116
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
瀬戸 廣明 香川大学, 経済学部, 教授 (00035924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 道夫 香川大学, 経済学部, 教授 (70109148)
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Keywords | 情報 turn around time / 情報システムによる割付生産 / 資本の流れの情報化 / 情報の価値 |
Research Abstract |
川下-乗用車、家電、加工食品、アパレル、洗剤、カメラ、パソコン、化粧品-の各産業を代表するメーカー17社の本社(情報システム担当重役)と工場、川上-銑鋼一貫、半導体(シリコン単結晶、LSI、エポキシ樹脂)、化学工業、綿合繊-の各産業を代表するメーカー13社の本社と工場を訪問した。 1.訪問したメーカーの大半では‘情報 turn around time の短縮'が共通の目標であった。例えば、流通における変化が物流、社内生産さらには得意先への発注に変化を及ぼしてそれが流通への応答となって現われるまでの時間的長さを短縮したいのである。 2.情報による生産、流通の計画的割付が先進的乗用車メーカーによって採用され、全世界に散在する工場を同一の生産管理システムで動かしていること。この視点は、これまでの研究が、申請者らをも含めて、‘後工程が前工程を引っ張る'視点からの情報システムの有効性に焦点を当てて行なわれてきたことの否定である。 3.仕掛在庫の回転期間をアイテム毎に予測することがきわめて重要な課題となっている。この予測は、(1)コスト問題として中間管理層によって、(2)滞留資本の縮減問題として経営層によって意識されている。しかしながら、申請者らは(3)生産・流通の風通しをよくするすなわち資本の流れを最高経営層に把握させることが情報システムによって、仕掛在庫回転期間のアイテム毎の把握への情報システムの貢献をなんらかの視点から捉え直すことによって、現実のものとすることが出来ると、訪問時の議論から、考えている。この最後の(3)に申請者らがどのような貢献をすることが出来るかを強く意識しながら来年度の研究を進めたい。
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