1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05452330
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Research Institution | IWATE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
伊藤 實 岩手大学, 農学部, 教授 (30003750)
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Keywords | パッシブ / 無窓豚舎 / 模型実験 / 風圧係数 / 多段制御 |
Research Abstract |
畜産施設を底廉に建設でき、経済的に運営できるためには、施設内環境に自然エネルギーを利用する方式、すなわちパッシブな施設が必要となる。本研究はパッシブ低コスト型無窓豚舎の開発を目的とした。 研究に用いる施設は骨組みにパイプ、壁体にビニールフイルムを用い、無窓形式の豚舎とした。この豚舎の環境に影響を与えるのが外気の逆流がある。それは外気の施設内への逆流は施設内環境の制御に対して大いなる外乱となる。これを豚舎頂上部に設けられた排気スリットとの関係を模型実験で検討した。その結果、妻面に風が風向角0度に当たる場合には,排気スリット周囲は風上妻面を除いて全て負の風圧係数で覆われている。風向角が30度になると,内側壁体における風圧係数の値が小さくなるが,内側壁体の風圧係数が負値である。風向角60度、さらに風向角90度でも外気が逆流するような現象はない。このことから風向角に関係なくこの施設構造の壁体での風圧係数は負値で、外気の逆流現象のないことが分かった。最後に、低コストでの施設の環境条件を良好に維持する方式は自然の環境エネルギーを用いて、パッシブなエネルギーの利用をすることを提案している。実物大の施設での実験はその測定精度や複雑さから容易でないことから、縮尺1/4の模型豚舎を作製して実験をおこななった。模型実験から実物への換算は相似則を用いた。そのために模型で用いる換気量、顕熱発生量は実物と模型とのそれぞれの縮率から求めた。これから無窓豚舎のパッシブな温度環境の造成は生産動物の環境温度にあわせ、送風機の多段制御運転によって得られる。以上の研究から、所期の目的の研究を行うことができた。
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