1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05452330
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
伊藤 實 岩手大学, 農学部, 教授 (30003750)
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Keywords | 模型実験 / 相似則 / 熱伝達 |
Research Abstract |
対流熱伝達率と風向・風速の関係を,風洞模型実験をとおして検討した。実験には局所的な乱流レイノルズ数一致の相似則,および乱流構造の近似相似則を用いた。斜め流の場合の模型対流熱伝達率を実物値にスケールアップするための係数は,平板に沿う平行流と垂直流の場合の値を補間して求めた。模型代表長さは,実物の10分の1とした。また,建物周囲を草丈0.02[m]から0.1[m],粗度長0.005[m]の草原と仮定した。解析は,熱移動が定常状態であると仮定しておこなった。結果の概要は次のとおりである。 1.対流熱伝達率の模型値と実物値は,直線回帰することができ,強い相関が得られた。よって,補間ζから求められた対流熱伝達率を,近似実物値とすることが可能であると考えられた。 2.風速と各壁体部分の風速平均対流熱伝達率の関係は,一次直線で良く回帰できた。風速の影響は,屋根には強く影響し,妻面に対しては弱いことがわかった。 3.壁体に対する気流の入射角が変化すると,対流熱伝達率も変化することがわかった。特に,その影響は妻面で大きくなる傾向がみられた。 4.気流の水平面入射角の変域は0[°]から90[°]で,このときの対流熱伝達率の変化幅は8.7[W・m^<-2>・K^<-1>]である。これは風速を4.7[m・s^<-1>]変化させるのと等しいことがわかった。 以上のことから,対流熱伝達率を風速のみの関数として扱うのでは不十分であり,風速と風向の両者の関数として表すことが必要であることを明らかにした。また,重回帰分析を行い対流熱伝達率を,風向および風速であらわす重回帰式を示した。
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