1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05453137
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
玉尾 皓平 京都大学, 化学研究所, 教授 (60026218)
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Keywords | 有機ケイ素 / 遷移金属錯体触媒 / 五配位ヒドロシラン / 五配位ポリシラン / 分子内ヒドロシリル化 / 脱水素シリル化 / 不斉合成 |
Research Abstract |
本研究は,有機ケイ素化合物と遷移金属錯体との相互作用によって構築される複合系を有機合成的な立場からデザインし、高選択的な合成に利用することを目的としている。 以下のように、平成6年度の当初計画は多くが初期の目的を達成できた。 1.遷移金属触媒不斉分子内ヒドロシリル化 ケイ素を含むスピロ化合物の新規不斉合成を分子内ヒドロシリル化によって達成すべく検討を加えた結果,二つのオレフィン部位と二つのケイ素-水素結合を有する化合物に対して,ロジウム/キラルホスフィン錯体を触媒に用いることにより高い光学収率で光学活性含ケイ素スピロ化合物を得ることに成功した。選択性の向上,一般性の確立が今後の課題である。 2.5配位ヒドロシランの遷移金属触媒反応 立体的にかさだかい5配位ヒドロシランを用いるロジウム触媒脱水素反応によるオレフィンからのビニルシラン生成の反応機構に関し,重水素でラベルしたヒドロシランを用いることにより、有用な情報を得ることができた。総合的な反応機構の提唱が可能となった。 3.ポリシランの遷移金属触媒切断反応 5配位ポリシランのモデル化合物としてジシランを合成し、ニッケルおよびパラジウム触媒反応を行うことにより、4配位化合物では不可能な切断反応が容易に起こることを見いだした。また,多官能性オリゴシランのパラジウム触媒骨格転位反応も新たに見いだした。これは種々の多官能性オリゴシランの新しい合成法として有用である。
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