1994 Fiscal Year Annual Research Report
大深度立坑を利用した実スケール雲化学実験に関する基礎的検討
Project/Area Number |
05453197
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Research Institution | The National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
福山 力 国立環境研究所, 大気圏環境部, 室長 (90011642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 幸雄 北海道大学, 工学部, 教授 (00100058)
村野 健太郎 国立環境研究所, 地球環境研究グループ, 主任研究官 (40109905)
内山 政弘 国立環境研究所, 大気圏環境部, 主任研究員 (20160294)
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Keywords | 雲化学 / 立坑実験 / 人工雲生成 / 雲粒径 / 熱線式水滴径測定装置 / 雲粒内反応 / 酸性雨生成 |
Research Abstract |
本研究は北海道上砂川町にある三井炭坑南部排気立坑を実験場所としてスタートしたが、平成5年9月、炭坑所有者である三井石炭鉱業(株)の経営上の方針変更により南部立坑は閉鎖された。そこで同じ鉱山内の第一立坑を用いる実験計画を検討した。しかしこの立坑は人員輸送エレベータ-用のものであるため、測定機器類すべてに防爆設備の取り付けが要求されること、二酸化硫黄のような有毒ガスの放出が極めて厳しく制限されること、同じ鉱山で進行中の他の実験(無重力落下や圧縮空気発電)との関連でエレベータ-使用に制約が生ずること等の理由により実際上実験は不可能との結論に達した。次に代わりとなり得る立坑を探す努力を開始し、炭坑に比べて坑内での電力、火気、ガス使用に関する制約がはるかに少ない金属鉱山に目標を絞って候補地を選び、平成6年4月岐阜県神岡鉱山、7月岩手県釜石鉱山を視察した。前者には約550mの立坑があるので三井炭坑とほぼ同規模の実験ができることを期待したが、視察したところ坑内湧水が著しく坑底では降水が土砂降り状態であることが判明して、ここでの実験は断念せざるを得なかった。一方後者では立坑の使用可能部分の長さが430mと実験スケールの点でやや不満はあるものの、湧水や地底ガス放出の心配はなく、実験に適していると判断した。その後所有者である釜石鉱山(株)との交渉を重ね11月に人工雲実験のための立坑使用に関する合意に達した。次いで12月より崩落箇所の補修等の坑内整備作業を開始し、坑道コンクリート枠、観測用ケージガイド、電源設備が出来上がった段階の平成7年2月下旬に第一回の予備的な実験を行い、機器の動作試験と坑内環境条件の測定を行なうこととした。引き続き立坑通気設備、横坑通気の遮断、坑内連絡設備の設置等の作業を進めこれらが終了した後の3月下旬にガス放出を伴う第二回の実験時期を設定した。
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Research Products
(1 results)