1993 Fiscal Year Annual Research Report
砂浜域波打ち際環境を選択するアミ類の物質経済に関する群集生態学的研究
Project/Area Number |
05454089
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大方 昭弘 東北大学, 農学部, 教授 (50241550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 絹子 東北大学, 農学部, 教務職員 (90191931)
片山 知史 東北大学, 農学部, 助手 (30224455)
本多 仁 東北大学, 農学部, 助手 (90165613)
大森 迪夫 東北大学, 農学部, 助教授 (60152253)
菅原 義雄 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (20005614)
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Keywords | アミ類(mysidacea) / 砕波帯 / 波打際斜面 / 粒度組成 / 日周性 / 浅海砂浜域 / 物質循環系 |
Research Abstract |
1.仙台湾の外洋に面した砂浜域の波打ち際から水深15mの浅海域においてアミ類の種別の生活域及び主として魚類による被食状態を調べた。 (1)この浅海域にはArchaeomysis属、Acanthomysis属、Neomysis属などが大量に生息し沿岸性稚幼魚の重要な食物となっている。 (2)砕波帯5m以浅にはArchaeomysis属が卓越して出現し、水深2〜3m以浅にはA.kokuboi、水深3〜5mにはA.grebnitzkiiが多い。 (3)Acanthomysis mitsukuriiは水深5m以深にパッチ状に濃密な群れを作って生息する。 2.砂浜汀帯斜面の構造とアミ類の生活域の潮汐に伴う変動状態を調べた。 (1)汀帯斜面におけるA.kokuboiの高密度分布域は潮汐とともに移動し、汀帯下端部からの距離はほぼ一定である。 (2)アミ類が高密度で分布する場所の砂の中央粒径値(φ)は2.0〜2.3の範囲にある。アミ類の分布の仕方は砂の粒度組成に対する選択行動によるものではなく、打ち上げ波の斜面における流動状態に対する行動の結果と考えられる。海水の流動分布の測定法についてはほぼ見通しのついた段階である。 (3)アミ類は日中は汀帯斜面の砂の中に潜っているものが多く、日没後は水深1〜2mの水中に遊泳するものがみられるようになる。また、消化管の内容をみると、鞭毛藻類やCopepodaなどを摂食しており、その量は夜間に多い傾向がある。 (4)汀帯斜面は打ち寄せ波の運動によって、汀線に沿ってゆるやかに起伏する曲面を形成する。この斜面形状とアミ類の分布の仕方との関係については個体群量を推定する上で、今後の課題である。
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