1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454465
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
洲崎 春海 昭和大学, 医学部, 助教授 (70255868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大氣 誠道 昭和大学, 医学部, 助手 (90245845)
吉見 健二郎 昭和大学, 医学部, 助手 (00241042)
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Keywords | 鼻汁 / ムチン / 生体防御 / 細菌 / 付着性 / 障壁作用 / 抗菌作用 |
Research Abstract |
慢性副鼻腔炎患者から採取した鼻汁からヒト鼻汁ムチンを精製・抽出した。 ヒト鼻汁ムチンに抗菌作用が有るか否かについて検討した。 アイソセンシ培地(Oxoid社)1.8mlに各菌液(10^4CFU/ml)0.2mlを入れたものをコントロールとし、これにさらにムチン液(10μg/ml、30μg/ml、100μg/ml、300μg/ml)0.2mlを入れ、35℃で振盪培養し、直後、30分後、1時間後、4時間後、24時間後に各々100μl抽出し、培養菌数を算定して菌の増殖程度を検討した。 S.aureus,E.coli,K.pneumonide,P.aeruginosaの各菌にムチンの抗菌作用が認められたが、なかでもS.aureusとK.pneumoniaeに著しく抗菌作用がみられた。 S.aureusについて、各過程を走査電顕で観察した。ムチン100μg/ml群の24時間後のものではムチンが厚く覆っている菌ではそうでないものに比較して菌の増殖に乏しかった。ムチン30μg/ml群の24時間後のものではムチンが覆っている菌が分裂増殖しているのがみられ、ムチン塊の下でも菌が増殖しているのが認められた。 これらのことから、ムチンの抗菌作用は殺菌作用ではなくて静菌作用であると考えられた。
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