1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454559
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
石川 富士郎 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (20048250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清野 幸男 岩手医科大学, 助手 (20146103)
八木 實 岩手医科大学, 助手 (40112601)
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Keywords | 栄養摂取 / 高カロリー / 低カロリー / 顎顔面形態 |
Research Abstract |
目的:日本人の食生態には近年大きな変化が認められ,その結果,身長をはじめとしたとした体格に影響が及んでいることは明らかである。このことは顎骨についても同様と考えられるえられるが,日本人の平均身長の急激な増加に対し,顎骨に関してはむしろ脆弱化が指摘されている.これは,体格の変化が摂取栄養素の変化に起因するものと考えられているのに対し,顎骨の脆弱化は,食品の軟食化による発育期の咀嚼筋機能の低下によることが示唆されている.しかし,栄養と顎発育との関連性については不明な点が多い.そこで,本研究では高タンパク・高脂肪飼料ならびに低タンパク・低脂肪飼料で飼育した成長パターンの異なるラットの顎骨形態を比較することにより,栄養摂取の違いが顎発育に与える影響について検討する.実験方法:実験動物は3週齢のS.D系雄性ラット60匹を用い,高タンパク・高脂肪飼料飼育群(以下H群と略す)ならびに低タンパク・低脂肪飼料飼育群(以下L群と略す)の2群に分けて組成の異なる資料で飼育した.これら2群について飼育期間中の上下顎骨の経時的な変化を側方頭部X線規格写真を用いて比較検討した.さらに,摘出頭蓋の実測長計測および上下顎骨の石灰化程度について比較検討した.なお,2群の飼育期間は13週齢までの10週間とし,さらにL群の一部はH群の頭尾長と同等に達した17週齢までの14週間とした.結果・考察:頭部X線規格写真分析の各計測項目において,H群,L群の2群間の成長曲線の相違には大別して2つのパターンが認められた.次に,摘出頭蓋(飼育期間最終齢)の実測長計測による比較において,H13群とL13群では,上下顎の全計測項目でH13群がL13群を上回っていた.さらに,摘出頭蓋(飼育期間最終齢)における骨の石灰化程度の比較では,H13群はL13群やL17群よりも石灰化の程度は高い傾向が認められた.従って,栄養摂取の違いにより,顎骨の成長速度や石灰化程度において差が生じることが確認された.
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