1994 Fiscal Year Annual Research Report
フェライト被覆による静磁場の内皮細胞増殖促進効果を応用した小口径人工血管
Project/Area Number |
05454693
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
阿部 正紀 東京工業大学, 工学部, 教授 (70016624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮脇 富士夫 国立循環器病センター研究所, 実験治療開発部・実験外科, 研究室長 (50174222)
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Keywords | 人工血管 / フェライト / メッキ / 内皮細胞 |
Research Abstract |
人工血管と同じ材質(PTFE)を用いて、フェライト膜との付着力を高める為の表面処理条件を検討した。酸素プラズマ中でプラズマ処理する事により膜と基板との付着力が増大した。しかし、プラズマ処理では十分な付着強度を得ることが難しく、他の方法を模索したところ、エキシマランプ光の照射による表面改質が有効であることが分かった。そこで、エキシマランプを用いた表面処理条件を水滴の接触角によって検討した。Xeランプ光を照射する前は、表面に形成された水滴の接触角が90度程度あったが、光照射時間とともに接触角の大きさが減少し、5分間の光照射により焼く4度まで減少させることができた。このように、Xeランプ光の照射によりPTFE表面の水濡れ性を大幅に改善できることができることが明らかとなった。このエキシマランプを用いた表面改質は、PTFE上に水溶液の皮膜を形成し、その上面より光を照射するため、水溶液による光の吸収をできるだけ抑える工夫、さらに人工血管のような管状のPTFEを表面処理するための工夫がさらに必要であることが明らかとなった。 表面処理を施したシート状のPTFEを用いてFe_3O_4膜のメッキ条件を検討した。作製温度と溶液のpHにより生成相が異なる事が明らかとなり、それぞれの作製温度に適したpHの値を選択する事によりFe_3O_4膜を作製できる事がわかった。また、人工血管の内壁にフェライトメッキするためのフェライトメッキ装置を構築し、Fe_3O_4膜の作製条件を見い出した。
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