1993 Fiscal Year Annual Research Report
非定常ローレンツ力による界面不安定形ダブルディフュージョンオーグメンテータの開発
Project/Area Number |
05555057
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山根 隆一郎 東京工業大学, 工学部, 教授 (50016424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 修造 東京工業大学, 工学部, 助手 (20143670)
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Keywords | 流体工学 / 電磁流体力学 / 非定常電磁力 / 交流磁場 / 不安定波 / パラメータ励振 / 液体金属 / 反応促進 |
Research Abstract |
本研究では,非定常電磁力による液体金属の鉛直加振を利用した熱伝達・物質移動の促進法の確立を目的とし,本年度はその基礎として,印加磁場と印加電流が波動励起の条件に与える影響および波動形状を,線形安定解析,数値解析および水銀を用いた実験により調べ,界面を介した熱伝達・物質移動については拡散方程式と練成させた数値解析により調べた. 線形安定解析はローレンツ力項を付加した基礎方程式と,速度および電流の境界条件,界面の運動学的条件を摂動法により,線形化された方程式を得,固有値問題として不安定波の発生領域を求めた.実験装置は,交流電滋石および周波数変換器から構成され,直流または交流電源かさ強制電流を容器内の水銀に印加した.解析と実験はともに交流磁場に直流磁場を印加した場合と交流磁場に交流電流を印加した場合について行った. 解析結果より,不安定波の発生領域はスチュアート数,レイノルズ数,ウェーバー数の3つの無次元パラメータによって支配され,スチュアート数の増加によって系は安定化するが,逆にスチュアート数,ウェーバー数の増加によって系は不安定になること,波数べクトルが印加磁場に平行な場合が最も不安定であり,不安定波の振動数は,直流電流を印加した場合には印加磁場の周波数の半分,交流電流を印加した場合には印加磁場の周波数と同じで,この場合は印加磁場と印加電流の位相差によって不安定領域が異なること等が明らかとなった.また,実験により,容器を加振させることなく,非定常電磁力による溶融金属の鉛直加振が可能であることが確認された.実験から得られた不安定波の発生条件は線形安定解析の結果と良く一致し,不安定波の波形および非定常電磁力との位相差も数値解析結果と良く一致した. 次年度の装置設計の資料として,界面不安定波が熱伝達・物質移動に及ぼす影響を拡散方程式と練成させたVOF法により調べた.その結果,界面不安定波の発生により界面を介した熱伝達・物質移動が著しく促進されることが明らかになった.
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