1994 Fiscal Year Annual Research Report
乱流理論と流砂理論の統合化による流れと土砂輸送の制御工法の開発
Project/Area Number |
05555144
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中川 博次 京都大学, 工学部, 教授 (60027216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 忠紀 京都大学, 工学部, 助手 (00243064)
後藤 仁志 京都大学, 工学部, 助手 (40243068)
村上 正吾 京都大学, 工学部, 助手 (70166247)
富永 滉宏 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (60135530)
祢津 家久 京都大学, 工学部, 助教授 (30109029)
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Keywords | 開水路乱流 / 流れの非定常性 / 複断面河道 / 乱流計測 / レーザー流速計 |
Research Abstract |
主要な河川災害である橋梁災害、堰・床止め災害、護岸災害などの各種の水理構造物の災害また各種河床形態に伴う土砂災害は、構造物周辺の局所流に起因する大規模な組織渦や河床の凹凸による剥離渦によることが多く、これら一連の体系だった水工学的解明とその制御工法の開発が重要な課題となっている。 本研究は、最近開発された光ファイバー型レーザー流速計(FLDA)を新規購入して、これを駆使してこのような複雑な流れと流砂を同時計測し、河川で発生する大規模な組織渦とそれに伴う土砂輸送を乱流理論と流砂理論を統合化することによって解明する試験研究である。 本年度の研究では、昨年度に引き続いて、河川災害の外因となる洪水の動特性、すなわち開水路乱流に及ぼす流れの非定常性を高精度レーザ流速計を用いて解明した。その結果、増水期と減水期とでは、平均流束分布、せん断応力また乱れ強度分布は顕著に相違することが分かった。せん断応力や乱れは、洪水(水深)がピークに達する前に、最大となり、この結果は、流れの抵抗則や浮遊土砂輸送を考えるとき、きわめて重要な知見である。 本年度で行ったもう1つに研究は、複断面河道の水理特性である。この研究は、数値計算と水理実験とから行われた。前者は、テルアビブ大学Naot教授との共同研究であり、複断面内(鉛直面内)の2次流特性が計算によって良好に再現することに成功した。後者の水路実験では、水平面内の平面渦がPIV画像解析法で解析され、組織渦の動特性を解明する手がかりが得られた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nezu,I: "Expermantal Study on Turbulent Structures in Unsteady Open-Channel Flows" Proc.of Fundamentals and Advancements in Hydraulic Measurements and Experimentation,ASCE. 185-194 (1994)
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[Publications] 禰津 家久: "非定常開水路流れの乱流構造に関する実験的研究" 土木学会論文集. No.491/II-27. 81-88 (1994)
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[Publications] 禰津 家久: "開水路の非定常流れの乱流構造" 第26回乱流シンポ論文集. 270-273 (1994)
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[Publications] 禰津 家久: "開水路乱流の粘性底層および壁面領域に及ぼす非定常効果(掲載予定)" 水工論文集. 第39巻. (1995)
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[Publications] 禰津 家久: "加速流および減速流の解析手法とその乱流特性" 土木学会論文集. No.509. 89-97 (1995)
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[Publications] 禰津 家久: "自由水面領域の非定常乱流特性に関する研究" 土木学会論文集. No.509. 121-130 (1995)