1993 Fiscal Year Annual Research Report
高脂溶性含フッ素有機リチウム塩を用いた新規リチウム電池電解質溶液の開発研究
Project/Area Number |
05555241
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
園田 高明 九州大学, 機能物質科学研究所, 助教授 (90108770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 房次 日立マクセル(株), 京都研究所, 研究員
小林 宏 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (10037731)
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Keywords | リチウム電池 / 有機電解質 / 含フッ素化合物 / 分子設計 / 分子物性 |
Research Abstract |
本研究は高出力高エネルギー密度を有する新規リチウム電池の開発を目的とした基礎研究であり、リチウム電池電解質として用いる含フッ素有機リチウム塩の分子設計と実用化のための電池物性評価に関して本年度は次のような研究を行なった。 1.リチウム電池電解質として用いる多フッ化アルキルスルホニル基置換リチウムイミド、多フッ化アルキルスルホニル基置換リチウムメチド、および多フッ化アルキル基置換テトラフェニルホウ酸リチウムについて、鎖長および構造が異なる種々の多フッ化アルキル基を有する誘導体の合成経路を開発した。 2.リチウム電池電解質に要求される条件のうち伝導度について実験検討した結果、リチウム塩の対アニオンの構造がリチウムイオンの解離度に大きな影響を与えることが明らかとなった。特に多フッ化アルキル基置換テトラフェニルホウ酸リチウムについては、分子量が相対的に大きいにもかかわらず現在実用化されているリチウムトリフラート塩よりも高い伝導度が得られた。 3.半経験的分子軌道法を用いて種々の含フッ素有機アニオン種の軌道エネルギーを計算した結果、多フッ化アルキル基の鎖長および構造が異なるとアニオン種の耐酸化性の指標である最高被占軌道の軌道エネルギーが大きく変化することが明らかとなった。 これらの結果は第183回電気化学国際会議(1993年5月ハワイ)、電池技術委員会第267会委員会(同10月東京)、電気化学討論会(同10月福岡)、第18回フッ素化学討論会(同10月横浜)、および第67日化春季年会(1994年3月東京)において講演しプロシーディングとして発表した。
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