1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05555275
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
千田 佶 東北大学, 工学部, 教授 (10005499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 千弘 同和鉱業(株), 中央研究所, 研究員
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Keywords | 鉄酸化細菌 / 集積培養 / 耐性 / 共生 / 栄養素 / 純粋培養 |
Research Abstract |
鉱山排水から採取した鉄酸化細菌の集積培養を行い,鉄基質集積培養菌を得た。さらに,この集積培養菌から固体培地を用いて鉄酸化細菌を分離し,純粋培養菌を作成した。その集積培養菌および純粋培養菌を用い,栄養塩類無添加での酸化実験を行った。ここで使用した細菌は,純粋培養および集積培養のどちらの場合においても,前培養として栄養塩類無添加で回分培養を行ったものである。すなわち,細菌細胞体内に蓄積された栄養素を放出させた定常期の細菌であると推定される。また,初期菌体濃度を10^6cell/mlとし,十分な反応時間を確保している。その結果,純粋培養の場合,鉄酸化細菌の増殖および酸加速度の増加は見られず,実験期間を通じてほぼ一定となった。一方,集積培養の場合,実験途中において,鉄酸化細菌が増殖し,酸化速度が増加するという現象が見られた。この結果から,栄養塩類無添加における鉄酸化細菌の酸化挙動は,純粋培養と集積培養とで大きく異なることがわかる。純粋培養と集積培養との大きな違いは,鉄酸化細菌が単独で存在しているかどうかであり,上記より,集積培養の場合において,共存する従属栄養微生物の働きが重要であり,その微生物の働きにより,鉄酸化細菌にとっての栄養素が循環し,鉄酸化細菌に供給されることが推測される。 また,鉄酸化細菌に阻害作用を及ぼす有機物として界面活性剤の硫酸ドデシルナトリウムを添加し酸化実験を行った。その結果,硫酸ドデシルナトリウム濃度1×10^<-5>mol/l以上では,添加後速やかに鉄酸化細菌が阻害されることが確認された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 藤原 晶 他: "硫酸ドデシルナトリウムを添加した場合の鉄基質集積培養菌の挙動" 資源素材学会東北支部秋季大会. 1-10 (1993)
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[Publications] 須藤 孝一 他: "鉄酸化細菌の栄養塩無添加での酸化挙動" 資源素材学会春季大会. (発表予定). (1994)
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[Publications] 藤原 晶 他: "鉄酸化細菌の硫酸ドデシルナトリウムに対する耐性" 資源素材学会春季大会. (発表予定). (1994)