1994 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外分光法による非侵襲的かつ連続的な心筋内酸素・代謝モンタリングの開発研究
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05557070
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小田 利通 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (90041342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 知己 株式会社島津製作所, 科学計測機器研究所, 研究員
垣花 泰之 鹿児島大学, 医学部・付属病院, 助手 (20264426)
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Keywords | 心筋酸素代謝 / 近赤外分光法 / 経食道的分析 |
Research Abstract |
前年度はヘモグロビン(Hb)、ミオグロビン(Mb)、チトクロムオキシダーゼ(Cyt.aa_3)の分離測定方法を検討し、その正当性を確認した。本年度はその方法をもとに、(1)生体ラット心筋の酸素化状態測定を開胸による直接測定法および胸壁外からの間接測定法で検討した。さらに(2)生体ブタ心筋の直接測定法と本研究課題の最終目標である間接的測定法(経食道的心筋酸素代謝測定法)を比較し経食道的測定法の可能性を検討した。 計画(1):生体ラット心筋測定法の検討。 (1)直接測定法の検討:〈方法〉人工吸収下にラットを開胸し、近赤外分光装置のプローブを直接心筋表面に接着し、段階的にF_<102>を変化させ心筋内酸素化状態を検出した。(2)間接測定法の検討:〈方法〉人工吸収下にラットの胸壁上に近赤外分光装置のプローブを装着し、段階的にF_<102>を変化させ心筋内酸素化状態を検出した。さらに胸壁の影響を評価するため、胸壁と心臓の間を遮光し同様な実験を行った。 〈結果〉直接法および間接法ともに心筋内酸素化状態の変化を検出できた。HbはF_<102>の低下とともに脱酸素化を受けたが、MbはF_<102>12%、Cyt.aa_3は8%以下で脱酸素化、還元がはじまった。胸壁の影響はHbだけであった。 計画(2):生体ブタ心筋測定法の検討。 (1)直接測定法の検討:〈方法〉人工呼吸下にブタを開胸し、近赤外分光装置のプローブを直接心筋表面に接着し、段階的にF_<102>を変化させ心筋内酸素化状態を検出した。(2)間接測定法の検討:〈方法〉人工呼吸下にブタの食道に経食道用プローブを挿入し、段階的にF_<102>を変化させ心筋内酸素化状態を検出した。〈結果〉直接法および間接法ともに心筋内酸素化状態の変化を検出できた。近赤外分光法による経食道的測定法で心筋内酸素化状態を検出できたことより、無侵襲的心筋内酸素化状態モニタリングの臨床応用の可能性があるものと思われた。
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