1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05557098
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
落合 正仁 徳島大学, 薬学部, 教授 (50127065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中池 司郎 大正製薬株式会社, 薬理研究部, 主任研究員
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Keywords | ヨードニウム塩 / 抗真菌剤 / ヨウ素 / 抗菌活性 |
Research Abstract |
著者等の開発した反応を活用して、アルキニルシランからアルキル側鎖の長さの異なるアルキニルヨードニウム塩を合成し、その抗真菌活性を調べてアルキル側鎖の最適化を検討した。寒天希釈法を用いて最小発育阻止濃度(MIC)を測定したところ、アルキル側鎖の炭素数が8のアルキニルヨードニウム塩がカンジダ菌やクリプトコッカス菌等の酵母状真菌に対して最も強い抗菌力(MIC:3.13-12.5μg/ml)を示した。白癬菌(紙状菌)に対しては、炭素数が6,7,8,9のアルキニルヨードニウム塩が強い抗菌活性(MIC:6.25-12.5μg/ml)を示した。アルキル側鎖が環状のアルキニルヨードニウム塩も同様に広い抗菌スペクトルを示した。ヨードニウム塩の対アニオンの効果についても種々検討したところ、合成の容易さ、塩の安定性等からBF_4が最も優れていた。 以上のように、アルキニルヨードニウム塩におけるアルキル側鎖の最適化を検討して、カンジダ菌、クリプトコッカス菌、白癬菌等に対してketoconazoleに勝るとも劣らない活性を示すアルキニルヨードニウム塩(n=8)を見出すことができたので、今後の研究計画を以下のように設定した。 1.アゾール系抗真菌剤の多くは塩素置換ペンゼン環を有することから、2-クロロフェニル基や2,4-ジクロロフェニル基を配位子とするヨードニウム塩を合成し、抗菌活性を調べる。 2.ペルフルオロアルキル基やペルフルオロアリール基を導入したヨードニウム塩の合成法を開発し、その抗真菌活性を比較検討する。 3.著者等の開発した反応を活用して、β位に各種ヘテロ原子置換基を有するアルケニルヨードニウム塩を立体選択的に合成し、その抗真菌活性を上記アルキニルヨードニウム塩と比較検討する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Masahito Ochiai: "α-versus β-Elimination of (2)-(β-Halovinyl)iodonium Salts:Generation of (α-Haloalkylidene)carbenes" J.Am.Chem.Soc.115. 2528-2529 (1993)
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[Publications] Masahito Ochiai: "Synthesis of an (Alkylperoxy)-λ^3-iodane by the Reaction of 1-Hydroxy-1λ^3,2-benziodoxol-3(1H)-one with 1,3-Bis(trimethylsilyl)methylbutyne" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.218-220 (1993)
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[Publications] Masahito Ochiai: "Nucleophilic Vinylic Substitutions of (2)-(β-(Phenylsultonyl)alkenyl)iodonium tetrafluoroborates with Sodium Benzenesulfinate" Tetrahedron Lett.34. 4829-4830 (1993)