1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05558054
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
河辺 隆也 筑波大学, 物理学系, 助教授 (40023717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加賀爪 明子 日立製作所, 機械研究所, 第7部 副参事 研究
北島 正弘 筑波大学, 金属材料技術・第2研究グループ, 第1サブグループ リ
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Keywords | 超高真空 / 放電洗浄 / 不純物 / 脱離 / 放電圧力 / スパッタリング / トラッピング |
Research Abstract |
超高真空を迅速に得るために有用な方法であるグロー放電洗浄には、磁場を用いず、装置が簡便であるなどの利点があるが、陰極降下が300Vと大きいために、プラズマイオンのボンバードメントによる容器壁のスパッタリングや、放電ガスの容器壁へのトラッピングが起きること、それに放電洗浄時のガス圧力が数パスカルと高いために、真空排気系の排気速度が遅いという問題点がある。そこで、このグロー放電洗浄法を改善するために、熱陰極を用いたグローモードプラズマ源(GMPS)を補助プラズマ源として放電洗浄を行い、上記の問題点の改善に取り組んだ。 その結果、放電ガス圧力は0.2Paと従来より1〜2桁下げられるようになった。また、陰極降下における壁とプラズマとの間の電位差も数10ボルトまで下げられることを確認した。 また、放電中の不純物の脱離の機構を調べるために、放電ガスとしてアルゴン・水素・重水素を用い、放電中の不純物の各ガス分圧の時間変化について研究した。その結果、アルゴン放電と水素放電を比較した結果、水素放電では化学反応の寄与が物理的なボンバードメントよりも大きいか同程度であるということが分かった。 以上の結果から、GMPSを補助プラズマ源としたグロー放電洗浄は、従来のグロー放電洗浄の欠点を改良し、しかも洗浄効果が大きいという結論に達した。 さらに、超高真空でのこの方法の有効性を研究する基盤が出来た。
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