1994 Fiscal Year Annual Research Report
明治前期政治史における「薩長土」勢力の相互連環的研究
Project/Area Number |
05610271
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Research Institution | KOCHI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
福地 惇 高知大学, 人文学部, 教授 (00109711)
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Keywords | 西欧の衝撃 / 西欧化 / 富国強兵 / 殖産興業 / 中央集権化 / 藩閥 / 立憲制国家 / 対抗と提携 |
Research Abstract |
明治国家形成過程期の基本問題を、核心的政治勢力の相互の関係、また中央と地方の相互の動向に目配りしながら、特に、薩、長、土という三大政治集団の性格や実態を相互連環的に検討することで、幕末・明治前期政治史の基本的問題を総合的・構造的に理解し直すことが出来れば良いがと考えて研究を進めた。しかし、明確に実績はこうだと報告する段階にまで到達したとは言い難い。主題が、壮大に過ぎたことが原因と反省している。しかしながら、2年間に亙る研究活動の力点を関係史料・文献の蒐集と史跡探訪に置き、科研費のお蔭で自分なりには相当の成果を獲得出来たと思っている。 さて、本年度の研究の進行に伴い安政年間以降廃藩置県に至るまでの薩長土三藩の政治的関係の変遷の重要性が確認され、この時期の検討に比較的時間を裂くことになった。これに次いで薩長土三藩出身政治勢力の構造および政治運動上の特質への理解を深めながら、相互連環の特色を征韓論政変、大阪会議、西南戦争と段階を画しながら検討・考察を進めた。同時に、前年度に引き続いて本年度も、主として『岩倉具視関係文書』(マイクロフィルム)、『黒田清隆関係文書』(マイクロフィルム)、『山県有朋関係文書』(国会図書館憲政資料室所属の複写)に目と通して、研究目的関係情報の検索に努めた。
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