1993 Fiscal Year Annual Research Report
明治前期政治史における「薩長土」勢力の相互連環的研究
Project/Area Number |
05610271
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
福地 惇 高知大学, 人文学部, 教授 (00109711)
|
Keywords | 西欧の衝撃 / 西欧化 / 富国強兵 / 殖産興業 / 中央集権化 / 藩閥 / 立憲制国家 / 対抗と提携 |
Research Abstract |
平成5年度の研究計画に従って1.関係史料・文献の蒐集。2.史跡探訪。3.蒐集史料の整理・分類を漸次遂行した。夏休み中は、主として『岩倉具視関係文書』(マイクロフィルム)、『黒田清隆関係文書』(マイクロフィルム)、『山県有朋関係文書』(国会図書館憲政資料室所蔵の複写)に目を通して、研究目的関係情報の検索に努めた。また夏休み中に山口県、鹿児島県に史料調査に出向く予定だったが、天候不順等の理由で取り止めた。そして、山口県には十二月、鹿児島県には三月、調査を実施した。決定的に重要な新史料の発掘は出来なかったが、山口市、萩市、下関市、鹿児島市等において維新関係史跡をかなり広く見聞することが出来たことは、本研究の考察を推進するうえに大きな意義を●してくれそうな予感を与えてくれた。こうして「薩長」関係史料の蒐集に努め、その解読に当たったのが、本年の主なる実績である。新たな知見の獲得は未だ明言し難いが、「薩長土」三大勢力の競合関係を総体的立体的に把握することで、従来の明治政治史理解を越えて、新たな理解を提示することが出来そうだとの感触を得ている。平成6年度は、上述の経過を踏まえて、さらに史料蒐集を継続する。また考察の面では、特に明治六年政変から西南戦争に至る間の「薩長土」三大政治勢力の相互連環的関係の具体的な構造を明らかにしたいと考えている。
|