1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05610323
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
中田 一郎 中央大学, 文学部, 教授 (50119541)
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Keywords | 楔形文字法 / 古代メソポタミア / バビロニア / ハンムラピ法典 / エシュマンナ法典 / ウルナンム法典 / リピト・イシュタル法典 |
Research Abstract |
平成5年度実施計画のうち、1.史料と参考文献の収集に関しては、今年度予定していたWissenschaftliche Veroefentlichungen der Deutschen Orientgesellschaft,Band 1-30のほか、メソポタミア関係の文献14点を購入するどとが出来た。 2.ハンムラピ法典の邦訳に関しては、現時点で約7割程度の下訳が出来上がっている。ハンムラピ法典の邦訳を平成6年度の紀要に出版できるように努力している。なお、ハンムラピ法典の性格については、議論が分かれているが、他の楔形文字法典同様、法的規制力をもった法典としてではなく、古代メソポタミアの「学者」の間に存在した蒐集の伝統(たとえば、地名集、神名集等の語〓集に当たるものから、文献目録やオーメン集等といったものの編纂もおこなわれた)を反映した法集と見るのが最も妥当であると言うことが本年度の研究を通して得た新しい知見の一部である。ただし、この法集に見られる法と、実際の裁判文書などに見られる法の実態との間にはかなりの一致が見られるという事実も付け加えておく必要があろう。 3.史料集に散見する裁判文書の収集・整理については、外付けハードディスクとデータ処理用のソフトを購入し、院生アルバイト(151時間)の協力を得て作業を進めているが、参考文献目録の作成の必要性が生じたため、現在のところこれら両方の作業を並行して進めている。そのため、この面での作業が予定よりやや遅れている。
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