1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05630062
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
近藤 文男 京都大学, 経済学部, 教授 (40066676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 靖永 京都産業大学, 経営学部, 講師 (70240447)
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Keywords | 流通システム / エレクトロニクス産業 / OEM / 自社ブランド / 伝統的流通システム / バイイング・グループ / カタログ・ショールーム / パワー・リティラー |
Research Abstract |
本研究は日米民生用エレクトロニクス産業の流通システム比較を歴史的視点から研究したものである。日本の民生用エレクトロニクス産業は現在アメリカ市場において圧倒的優位性を実現している。その優位性を実現した最大の要因は製品の優位性にあった。同時に製品の優位性とそれと密接に結合したチャネル戦略の優位性にあった。日本企業がアメリカに参入に際してアメリカのビッグ・ストアーを中心とする流通システムを積極的に活用し、それと製品を巧みに結合したことが明らかにされた。この過程でアメリカのエレクトロニクス産業の流通システムをそれまでの卸売り、小売という伝統的な流通システムからビッグ・ストアーを中心とする流通システムに大きく変えたことを具体的に解明した。 なかでもソニーや三菱電機を典型とする企業は、参入当初から自社ブランドの追求と独自のチャネルの構築を一貫して追求し、三洋電機を中心とする企業は、参入当初はアメリカの大手企業RCAやゼニス、シアーズ・ローバックなどのOEM(相手先ブランドによる製造)によりアメリカ企業の製造や販売ノウハウを学び、その後独自ブランドの採用と独自のチャネルの構築を実現した。製品とチャネルの関係が1950年代から1970年代の半ばにいたる輸出を中心とした段階においては、相対的自立の度合が高いのに対して、1970年代半ばから現代にいたる現地生産の段階においては両者の関係が密接になっていることが解明された。 本年度はソニー、三洋、松下、東芝、三菱、日立、シャープを中心とする日本本社を訪問し、そこのトップに会い製品とチャネルの関係について聞き取り調査をした。平成6年度はアメリカの日本企業ならびにアメリカの流通業者を直接訪問し聞き取り調査をし上記の特徴をより一層具体的に分析する予定である。
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Research Products
(1 results)