1994 Fiscal Year Annual Research Report
南極周極流の変動機構とその熱・物質の南北輸送に果たす役割に関する研究
Project/Area Number |
05640476
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
秋友 和典 京都大学, 理学部, 助手 (10222530)
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Keywords | 南極周極流 / 極前線 / 亜南極前線 / 海底地形 / 渦位保存則 / オイラー・ラグランジュの手法 |
Research Abstract |
風及び水温・塩分の季節変動気候値を境界条件とし、高解像度(0.5°x0.5°)の三次元数値モデルを用いて診断的に数値実験を行った。また得られた流動場に標識粒子を投入しオイラー・ラグランジュの手法により追跡することで、海水の運動を調べた。その結果、南極周極流の多重の前線構造及びそれを横切る海水の南北輸送について以下のことが明らかになった。 1.特徴的な海底地形に伴い顕著に見られる極前線と亜南極前線は、南極周極流が海底地形(海山)を過ぎるとき、渦位保存則から流れが収束することによって形成される。従って、平坦な海底地形上では顕著な前線が見られない。 2.顕著な前線が存在しない海域に加えて前線の存在する海域でも、流量関数の等値線が前線と斜交することで、海水の前線を横切る運動を可能にしている。 3.流量関数の等値線はほぼf/H(f:コリオリ・パラメタ、H:水深)の等値線に沿う(渦位保存則)のに対し、前線はほぼHの等値線に沿って形成されるために両者の斜交が生じる。 4.前線を横切る海水の輸送に対して、上で述べたような水平循環が鉛直循環と同程度に重要であることが明らかになった。
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