1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05640505
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
鈴木 隆介 中央大学, 理工学部, 教授 (60055168)
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Keywords | 岩石物性 / 間隙径分布 / 力学的強度 / 異方性 |
Research Abstract |
諸種の岩石の力学的性質と間隙径分布を測定し,力学的性質に与える間隙径分布の影響を解明し,岩石の破壊機構を解明するために役立つ基礎的資料を得た。 1)主として関東地方の各地で採取した34種の岩石について,それらの力学的性質を,強制乾燥状態および強制湿潤状態の2種の整形供試体を用いて,岩石の異方性を考慮した加圧方向で,一軸圧縮強度および引張強度を測定した。 2)間隙径分布は,炉乾燥法および凍結乾燥法で調整した岩石試料(1回の測定当たり,径4〜5mmに整粒した粒子を5〜10個づつ使用)を用いて,水銀圧入法(測定装置:Micromeritics社製のPore Sizer,“Auto Pore♯9200")によって,0.0038mum〜360mumの範囲に間隙径について,間隙総容量と間隙径ごとの間隙容量を測定した。また測定範囲の間隙径を4階級(すなわち,10^<1.5>≧alpha>10^<0.5>Mm,10^<0.5>≧beta>10^<-0.5>mum,10^<-1.5>≧gamma>10^<-0.5>mum,10^<-1.5>≧delta>3.8×10^<-3>mum)に区分し,それらに対応する間隙容量をV_<alpha>,V_<beta>,V_<gamma>およびV_<delta>(〓/g)とした。 3)力学的強度は,間隙総容量および小さな間隙の容量(V_<gamma>およびV_<delta>)とは無関係に,大きな間隙の容量(V_<alpha>+V_<beta>)に反比例する,ことが解明された。例えば,湿潤圧縮強度(S_c)は,S_c=0.67(V_<alpha>+V_<beta>)^<-0.90>(r=-0.908),で表わされた。ただし、泥岩のみはこの式で表わされる強度よりも小さい傾向を示した。 4)岩石の異方面に垂直に加圧した場合は,破壊後にgamma以上の大きな間隙の容量が著しく増加するが,平行加圧の場合は既存の割れ目を利用して破壊するので,間隙容量の増加は見られなかった。
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