1994 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロ置換ジェン前駆体としての不飽和アセタール類の活用研究
Project/Area Number |
05640585
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大北 雅一 北海道大学, 理学部, 助手 (60211786)
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Keywords | アセタール / エノールエーテル / ディールス アルダー反応 / 分子内環化付加 |
Research Abstract |
先に報告者はα,β-不飽和アセタール類から in situ で生じるジエノールエーテル類を活用した Diels-Alder 反応を開発した。本研究ではこの方法論の(1)分子内反応への応用、(2)ジチオアセタールへの拡張、(3)不斉反応への展開を計画した。(1)に関しては、2-シクロペンテノンアセタールから5段階で合成した基質1が環化付加体2を60%収率で与えることを明らかにした。5-置換シクロペンタジエン類1,5-水素移動による1-置換体への異性化を行い易いため、この形式の分子内 Diels-Alder 反応には前例が無く、本研究に独特の成果といえる。(2)に関しては、主に3-メチル-2-シクロペンテノン系を用いて、ジチオアセタール類も酸素アセタール類よりも若干高温(120℃)を要するものの同形式の反応を行うことを明らかにした。また、Zn(OTf)_2を用いた反応の触媒的加速も可能であることを見い出した。(3)に関しては、3を活用したπ面区別的反応を計画したが、ラセミ体の反応を検討するにとどまり、光学活性体の反応を検討するには至らなかった。
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